演題

O2-91-14-6

胆膵・十二指腸手術におけるICG蛍光イメージングの活用

[演者] 川勝 章司:1
[著者] 石沢 武彰:1, 寺澤 無我:1, 田中 真之:1, 武田 良祝:1, 三瀬 祥弘:1, 井上 陽介:1, 伊藤 寛倫:1, 高橋 祐:1, 齋浦 明夫:1
1:がん研究会有明病院 消化器外科

【背景】2017年には計9機種の腹腔鏡または開腹手術用近赤外観察装置が臨床導入され,ICG蛍光イメージングの応用が進むと予想される.本法は胆管の描出と血流評価に利用できるが,胆膵手術での報告はまだ少ない.
【方法】当施設は2013年より近赤外観察装置を導入し,計5機種の使用経験がある.蛍光胆道造影では,手術前日に肝機能評価のためにICG(0.5mg/kg)を静注し,胆汁排泄されたICGを利用して胆管の蛍光像を撮影した.動門脈および腸管の血流評価では,手術中にICG(2.5mg)を静注し蛍光像を取得した.
【結果】蛍光胆道造影は,腹腔鏡手術2例を含む片肝切除11例,右肝管合併切除・再建2例を含む肝前区域切除6例で実施し,全例で胆管切離時に肝門部胆管の解剖が描出された(図1,2).ICG蛍光イメージングによる血流評価は,腹腔動脈幹合併膵体尾部切除14例(左胃動脈吻合部と胃血流の評価),膵頭十二指腸切除1例(門脈再建部位の血流評価, 図3),膵温存十二指腸切除1例(小腸・大腸の血流評価, 図4)に実施した.膵体尾部切除では,2例で蛍光イメージングによって動脈吻合部の開存が不良と判断され,再吻合を施行した.再吻合後も蛍光イメージングで胃後壁の血流が不良であった1例は術後14病日に胃穿孔をきたし,開腹洗浄ドレナージの後に軽快退院した.
【結語】蛍光胆道造影は肝門部胆管の解剖を周囲の構造の上に描出することができ,X線照射や胆管へのカニュレーションが不要であることから,複雑な肝胆道手術への応用が期待される.蛍光イメージングは再建血管の開存性や腸管血流の確認にも応用できるが,定量評価が今後の課題である.

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