演題

O2-91-14-2

胃切除,胃全摘既往患者に対する膵頭十二指腸切除術におけるICG蛍光イメージング

[演者] 砂原 正男:1
[著者] 加藤 紘一:1, 長瀬 勇人:1, 植木 伸也:1, 佐藤 利行:1, 笠島 浩行:1, 久留島 徹大:1, 鈴木 伸作:1, 中西 一彰:1, 木村 純:1
1:市立函館病院 消化器外科

【目的】膵頭十二指腸切除術(PD)は消化器外科手術のなかでも切除,再建ともに手技に配慮が必要で未だに合併症も多い.特に,胃切除,胃全摘の既往のある患者にPDを施行する場合,前回手術による消化管吻合,癒着のために,通常のPDよりも切除,再建ともに困難となることが多い.近年,消化器外科領域でICG蛍光イメージングの有用性を示す報告が多くみられ,合併症を減らすことが期待されているが,膵領域での報告はまれである.今回我々は胃切除,胃全摘の既往を有する患者に対するPDにおいてICG蛍光法を利用したので報告する.【方法】2005年から2016年11月までに当科にて施行した胃切除または胃全摘の既往のあるPD症例は11例であった.幽門側胃切除後が9例,胃全摘後が2例であった.胃全摘後のPD症例は各々127カ月,42か月前に胃癌にて胃全摘 D2郭清 Roux en-Y(RY)再建が行われていた(1名は脾摘,胆摘も行われていた).胃切除後の症例は3名が消化性潰瘍,6名が悪性疾患で 幽門側胃切除が行われ,再建法はB-Iが3名,B-II (Braun吻合なし)が4名,RYが2名であった.このうち,術中ICG蛍光法を胃全摘後の1例と胃切除後の3例に行った.麻酔導入後にICG 2.5mgを静脈内投与し,肝転移巣の検索,胆管空腸吻合部からの胆汁漏の検索を行った.また,ICG 2.5 mgを追加静注して挙上空腸の血流に問題がないことを確認した.ICG蛍光の検出にはHyperEye Medical System を用いた.【結果】1)肝転移の有無確認:ICG蛍光法により,肝被膜近傍の腫瘍の有無を検索した.術前画像では描出困難な膵癌の微小肝転移をICG蛍光法で検出した報告があるが,今回の検討では肝転移症例はなかった.2)胆汁漏のチェック:癒着剥離に難渋した症例では通常のPDより胆管空腸吻合部の縫合不全や,胆管壁の微小損傷をきたす可能性がある.今回,1例で胆管空腸吻合部からの胆汁漏をICG蛍光で確認し,術中に再吻合した.3)挙上空腸の血流確認:胃手術時の再建法によってはPD時の再建空腸に血行障害が生じる可能性がある.今回の検討では再建前後の挙上空腸の腸管,腸間膜ともに良好な血流をリアルタイムに確認可能であった.【結論】胃切除術後のPDでは通常のPDよりも手術操作に細心の注意を要するが,ICG蛍光術中イメージングは胃切除後PDの手技の正確性や合併症の低減に寄与すると考えられた
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