演題

O2-90-14-4

新しい腹腔鏡手術用病変部触診システム

[演者] 藤原 道隆:1
[著者] 田中 由浩:3, 福田 智弘:3, 田中 千恵:2, 神田 光郎:2, 小林 大介:2, 小池 聖彦:2, 藤井 努:2, 佐野 明人:3, 小寺 泰弘:2
1:名古屋大学大学院医学系研究科クリニカルシミュレーションセンター, 2:名古屋大学大学院 消化器外科学, 3:名古屋工業大学大学院工学研究科

【目的】早期癌の術中局在診断は,開腹手術では術者が病変や標識クリップを漿膜面から触診していたが,腹腔鏡下では困難で,点墨などの標識もしばしば曖昧なため,術前画像情報を重畳させるナビゲーション等が試みられているが,変異が大きい消化管では精緻な位置診断は困難である.外科医の触診は対象に応じて接触力を調節しながら反力を感知する高度な感覚である.我々は,こうした触診が可能な手術器具として,センシングを術者の感覚で行うシステムを考案した.センサ鉗子は単純な構造とし,情報の取得,解釈を術者の感覚で行うシステムである.【方法】プローブはアルミ中空構造で根部側にマイクロフォンとスピーカーがあり,先端に近い触診部は側面が弾性変形する.根部スピーカーから単一周波数音を入力すると,先端反射音に触診部の変形で生じた反射音が重なって変化するが,これを根部マイクロフォンで取得し接触力を計測する仕組みである.提示装置は術者の足背など非清潔部に装着し,接触面が術者の皮膚を圧迫する.10mmトロッカーから挿入可能なセンサ鉗子を製作し,動物(図),切除胃で走査可能なことを確認した.ポリウレタン樹脂で,径15mmのやや厚みのある病変を表現した疑似0IIc病変付き胃壁ファントムを作成し,消化器外科医師6人を対象に,位置をブラインドにして検出実験を行った.【結果】スキャン方法に若干慣れを要するが,被験者全員が正確に位置を指摘できた.【考察】本システムの有効性が検証できたが,今後,より深達度の浅い疑似病変やクリップの検出試験を経て,臨床における実験を行う予定である.

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