演題

O2-64-7-3

大腸癌関連穿孔・穿通の治療に関しての検討

[演者] 本城 弘貴:1
[著者] 岡 直輝:1, 宮原 豪:1, 藤本 剛士:1, 八木 勇磨:1, 林 賢:1, 山田 成寿:1, 角田 明良:1, 三毛 牧夫:1, 草薙 洋:1
1:亀田総合病院 消化器外科

【はじめに】大腸癌関連の穿孔・穿通はほとんどが緊急手術となるが,術式に関しては患者や腫瘍の状態によって様々であり,一定の見解は得られていない.緊急手術時に腫瘍の切除まで行うべきか否かも決まっていない.
【対象】2008年1月から2016年11月までに,大腸癌に関係した大腸穿孔または穿通のため当科で治療を行った27例.
【方法】カルテレビューによる後ろ向きで検討した.
【結果】男女は10:17,年齢中央値は71歳(50~93歳),穿孔:穿通=12:15,腫瘍局在はC:A:T:D:S:RS:Ra:Rb=1:1:2:1:16:2:1:3,病期はStage2:3a:3b:4=6:10:2:9,腫瘍因子はT3:T4a:T4b=16:7:4であった.27例中21例には緊急手術を行い,その内14例は原発巣切除を伴う手術を行った.27例中6例は抗生剤治療や膿瘍ドレナージなどを施行して後日手術を行った.最終的には19例に原発巣を伴う切除を行った.
27例中5例は敗血症や術後合併症により救命できず術後30日以内に死亡した.全体でClavien-Dindo分類でgradeⅡ以上の合併症率,術後30日以内死亡率・5年全生存率を検討したところ,穿孔vs穿通では3項目全てで有意差を認めなかった.原発巣切除の有無・術前の保存的加療の有無で比較しても,ともに3項目全てで有意差を認めなかった.
これ以降は救命できた症例22例で検討した.CurA又はBを達成した症例に関しては5年全生存率57.1%,5年無再発生存率66.0%と比較的良好であった.CurA又はBを達成したものとCurCのもので比較すると,合併症率は有意差無しであったが,CurC群で有意に5年全生存率が低かった.CurA/Bの中で術前の保存的加療や2期的切除を行ったものと,緊急手術で1期的に切除したものでの比較では生存率に有意差は認められなかった.
【結語】全体として死亡率は高いものの,救命できてCurA又はBが達成できればCurC症例に比べて予後は有意に良好である.さらに,緊急手術の段階で腫瘍切除しても,保存的加療などを行い数ヶ月の期間をかけて切除に至っても予後に明らかな差は無いため,まずは救命を重視した治療を行うのが良いと思われた.
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