演題

O2-67-9-4

局所進行非切除膵癌のサルベージ手術の適応とタイミング

[演者] 増井 俊彦:1
[著者] 佐藤 朝日:1, 仲野 健三:1, 内田 雄一郎:1,2, 穴澤 貴行:1, 後藤 容子:2, 岸 高宏:2, 高折 恭一:1, 上本 伸二:1
1:京都大学附属病院 肝胆膵・移植外科, 2:京都大学附属病院 放射線治療科

背景:近年,化学療法,放射線療法の進歩により初診時に手術不能とされても化学・放射線療法によるコントロールが奏功し,外科切除が可能となる症例が増えつつある.このような症例に対して長期予後はどの様な症例に得られているか,当院における切除症例の解析を行ったため報告する.
方法:当院では基本的にUR-LA膵癌に限って放射線化学療法を行い,可能な症例はサルベージ手術を行っている.2010年1月から2014年12月にかけて当院にてUR-LA膵癌と診断され,放射線化学療法を行った症例は143例であり,サルベージ手術を行った症例は6例,4.4%であった.どの様な症例が手術となったか,手術までの期間,手術のタイミング,治療効果と無再発生存率,生存率を検討した.
結果:全例遠隔転移のないUR-LA膵癌であり,放射線照射の後にメンテナンス化学療法を行っていた症例であった.サルベージ手術を行った症例は,術前CTで UR-LAであってもSMA周囲270度までの症例あるいはCHAからCAにかけての軟部陰影の症例であった.放射線照射量は3D原体照射が3例で54Gy,IMRTが3例で45Gyであった.手術のタイミングは主腫瘍が再増大した2例とマーカーが正常化した4例.主腫瘍が再増大した症例は手術までのメンテナンス化学療法の期間が長く,無再発生存期間が平均31ヶ月と良好であった.一方,マーカーが正常化した時点で切除に踏み切った4例ではメンテナンス化学療法期間が平均4.6ヶ月と短く,無再発生存期間が平均4.2ヶ月で,再発は肝臓,肺,腹膜播種と遠隔転移がみられた.組織学的治療効果判定はgrade1bが3例,grade2が2例,grade3が1例であったが,無再発生存期間との相関は認められなかった.一方,断端はR1となった症例でも無再発生存期間が36.7ヶ月と長期予後を得ており,サルベージ手術の再発が遠隔転移であることからも化学療法によるメンテナンスが必要であることが示唆された.化学放射線治療単独群と比較すると生存率に有意差は認められなかった.
結語:UR-LA膵癌に対して化学放射線療法後に切除を行った症例は,メンテナンス化学療法の期間が長い症例で予後が良好な傾向が見られた.再発はほぼ遠隔転移で有り,術後補助化学療法の重要性が示唆される.
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