演題

O2-66-9-6

当科における切除不能進行膵癌に対するConversion surgeryの治療成績

[演者] 山田 大作:1
[著者] 江口 英利:1, 浅岡 忠史:1, 岩上 佳史:1, 野田 剛広:1, 和田 浩志:1, 川本 弘一:1, 後藤 邦仁:1, 森 正樹:1, 土岐 祐一郎:1
1:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅰ

【背景】近年の化学療法発達により,初診時に切除不能進行膵癌と診断された患者でも,手術可能な状態へconversionしたと判断し,切除による根治を見込んで手術を行う症例が存在する.しかし,こうしたConversion surgeryの適応について一定の基準はない.当院では切除不能膵癌に対して,積極的に治療介入を行い,一貫した基準に則ってConversion surgeryを施行してきた.当院でのConversion surgeryの治療成績について報告する.

【対象と方法】当院では,切除不能要因が局所進行によるもの(UR-LA)には化学放射線療法を,遠隔転移を伴うもの(UR-M)には化学療法の治療介入を行っている.また,切除可能症例(R)には術前治療を行い,切除可能境界症例(BR)には術前化学放射線療法を行いつつ,それぞれ2-3ヶ月,3-6ヶ月の治療観察期間に腫瘍の進行を認めなければ切除を行う方針としている.UR症例は,画像上腫瘍範囲がRもしくはBRまで縮小した段階で,それぞれの治療方針と同様の治療観察期間の後にConversion surgeryを施行している.切除範囲は初診時の腫瘍占拠範囲に関わらず,標準手術の切除範囲を予定とするが,術中に癌遺残なく切除する為に必要と判断した場合には可能な限りの拡大手術を行う.2006年1月から2015年12月までに当院を受診した切除不能膵癌症例のうちConversion surgeryを行った8症例と,同時期に上記基準の元当科で切除加療を行ったR78症例,BR28症例の治療成績を比較した.

【結果】初診時切除不能と診断された症例はUR-LA症例が44例,UR-M症例が112例であった.UR-LAの21症例は当科で化学放射線療法を行い,8例が適格となり7例に根治手術を施行した.UR-M症例では1例が適格となり根治切除を行った.Conversion surgery後1年,3年生存率はそれぞれ86%,43%であり,同時期のBR症例/R症例の術後生存率が75%,43%/90%,48%であり,これらの間には有意差を認めなかった.

【結語】一貫した方針のもと当科で行ってきたConversion surgeryの成績を報告した.さらなる症例の蓄積が必要であるが,現在の基準で行うConversion surgeryはBR,R症例と同様の長期成績が得られ,適切である可能性が示された.
詳細検索