演題

O2-66-9-3

教室でConversion surgeryを施行しえた切除不能膵癌の検討

[演者] 又木 雄弘:1
[著者] 前村 公成:1, 蔵原 弘:1, 川﨑 洋太:1, 橋口 真征:1, 迫田 雅彦:1, 飯野 聡:1, 上野 真一:2, 新地 洋之:3, 夏越 祥次:1
1:鹿児島大学大学院 消化器・乳腺甲状腺外科学, 2:鹿児島大学病院 臨床腫瘍学講座, 3:鹿児島大学 医学部 保健学科

(はじめに)
近年,抗癌剤の進歩に伴い,膵癌治療の成績も向上しつつある.遠隔転移を含めた切除不能膵癌に対し,化学(放射線)療法後Conversion surgeryを行い得た症例をretrospectiveに検討した.
(対象)
2010年1月から2016年12月に当科入院した膵癌284例を対象とした.(R 73例,BR 33例,UR 85例,meta 93例).切除不能膵癌UR+meta178例の内訳は,年齢:平均68才,性別(男性96例,女性82例),腫瘍径:平均30mm(8-116mm),主病巣(Ph/Pb,Pt=106/72)
(結果)
1. Conversion surgery行い得た症例は178例中12例(7.6%)で,conversion surgery12例と残りの166例の間に,年齢,性別,腫瘍局在,腫瘍径,CEA,CA19-9,T,N,M因子それぞれ有意な差を認めなかった.非切除因子は,局所進行5例,LN16転移3例,腹膜播種2例,肝転移2例であった.手術までの期間は平均11.8ヶ月(4.4-19.9)であった.
2. 加療方法は,CRT5例,化学療法7例(GEM+S-1 4例,GEM+nabPXL 2例,S-1 1例)であった.
3. RECIST評価で,SD 2例,PR 9例,CR1例であり,PR・CR症例のPRinの時期は平均4.5ヶ月であった.局所進行症例5例には化学放射線療法(CRT)を行い,遠隔転移コントロール症例3例にも化学療法後,局所にCRTを行っていた.
4. cStageのdown stageは8例に認め,pStageは全例down stageが得られた..残存腫瘍の腫瘍形態は分化度が中~高のものが多かった.Evans分類で,いずれも50%以上組織破壊像あり,2例pCRもあった
5. 術後補助化学療法は12例中に7例に施行,残り5例は拒否であった.転移・再発は5例に認め,肺転移症例と腹膜播種症例で,診断後それぞれ38か月,16か月で死亡.残りは全員生存中で,平均生存期間47か月であった.
○Conversion surgery症例の特徴
[術前] 切除までの期間:約1年間.局所因子と遠隔因子で手術までの期間に差異なし.抗腫瘍効果は,PR症例が多い.PRinの平均時期は4.5ヶ月.局所療法として,CRTを行っている
[病理・術後] cstageに比べ,全例pstageはダウンステージ得られていた.病理組織学的効果の得られているものがほとんどであった.補助療法は約半数に施行しており,非常に予後良好である
(まとめ)
切除不能膵癌において,化学(放射線)療法を施行することによりダウンステージが得られ,conversion surgeryを行い得た症例は長期生存が得られており,その有用性が示唆された.
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