演題

O2-66-9-1

局所進行切除不能膵癌に対する集学的治療後のConversion Surgeryの意義

[演者] 高見 秀樹:1
[著者] 藤井 努:1, 山田 豪:1, 林 真路:1, 神田 光郎:1, 中山 吾郎:1, 杉本 博行:1, 小池 聖彦:1, 藤原 道隆:1, 小寺 泰弘:1
1:名古屋大学大学院 消化器外科学

【背景】近年切除単独では良好な成績の得られない局所進行切除不能膵癌(URLA-PC)に対し,集学的治療を行い,一定期間病勢のコントロールが得られた後に切除するConversion Surgery(CS)についての報告が増加してきた.しかし,URLA-PCに対するCSの有効性や安全性,切除可能となる予測因子についてはまだ不明な点が多い.【方法】2010年4月から2016年4月までに当教室にて集学的治療を開始したURLA-PC症例(NCCN guideline ver.2.2015)30例のうち,2016年12月現在も治療継続中の3例を除く27例において,1)切除の可否 2)手術成績 3)CSの有効性について後方視的に検討した.【結果】1)27例中12例で切除に至った(44%).非切除の理由は治療中の増悪が7例,PS低下が4例,開腹所見で切除不能と判断したものが3例,患者拒否が1例であった.切除群と非切除群の間に年齢・性別・放射線治療の有無・新規化学療法(nabパクリタキセル,FOLFIRINOX)の使用の有無について差を認めなかった.非切除の理由が患者拒否であった1例を除いて切除群と非切除群で比較すると,切除群において,治療により有意に腫瘍が縮小しており(33.1±16.3% vs. 18.1±18.8%, P=0.04),CA19-9の正常化も有意に多くみられた(66.7% vs. 21.4%, P=0.02).治療前腫瘍径は切除群で有意に小さく(20.7±3.9mm vs. 31.4±9.9mm, P<0.01),カットオフ値は37mmであった.治療前腫瘍径37mm以上だったURLA-PC患者をsevere UR群,37㎜未満だった患者をnon-severe UR群とすると,non-severe UR群では11例(73%)に切除に至ったのに対し,severe UR群では2例(17%)しか切除に至らず,有意に少なかった(P<0.01).2)切除群の集学的治療期間の中央値は9.7か月で,手術時間中央値は632分,出血量中央値は771g,Clavien-Dindo分類IIIa以上の術後合併症は5例(42%)に認め,在院死を1例(8%)に認めた.3)集学的治療開始からの全生存期間の中央値は切除群で27.3か月,非切除群で15.3か月と切除群で有意に延長していた(P<0.01).全生存期間に対する単変量解析では非切除,腫瘍径37mm以上が有意な予後不良因子として検出され,多変量解析では非切除が独立した予後不良因子であった(ハザード比12.00,95%CI 1.619-122.269,P=0.01).【結語】URLA-PCに対するCSは予後を改善する可能性があることが示された.また集学的治療前の腫瘍径から切除の可否を予測し得ることが示唆された.
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