演題

O2-65-9-5

浸潤性膵管癌に対する術前化学放射線療法後の切除成績の検討

[演者] 京田 有介:1
[著者] 大場 範行:1, 金本 秀行:1, 高橋 道郎:1, 佐藤 真輔:1, 大端 考:1, 渡邊 昌也:1, 高木 正和:1
1:静岡県立総合病院 外科

諸言
膵癌は未だ最も予後が不良な癌である.予後改善のため近年様々な集学的治療が行われており,術前治療にかかる期待は大きい.近年いくつかの施設より,術前治療施行症例のおける良好な成績が報告されている.しかしながらその短期,長期成績に関しては不明な点も多く,議論の余地が残されている.今回我々は当院における浸潤性膵管癌に対する術前化学放射線療法後の切除成績を報告する.
対象
2007年8月から2016年8月まで切除を行った148例の内39例に対して術前化学放射線療法を行った.これらの患者を今回の研究の対象とした.
成績
年齢の中央値は70歳であった.照射量は30Gyで,術前化学療法としてGEMを22例,TS-1を17例に使用した.GEM投与量の中央値は1200㎎(400~8800㎎),S-1投与量の中央値は2800㎎(1400~11900㎎),術式はPDを32例にDPを7例に施行した.R0手術が36例(92%)であった.手術時間の中央値は484分(270~789分),出血量の中央値は900g(80~4000g)であった.入院期間の中央値は19日(10~50日).在院死を認めなかった.1例に術後腹腔内膿瘍に対して開腹洗浄ドレナージを施行した.また1例に対して術後出血に対してコイル塞栓術で止血を行った.GradeBの膵液瘻を4例,GradeCを2例認めた.
術前治療症例の生存期間の中央値は28か月(6か月~65か月)であった.3年,5年生存率は38.8%,19.7%であった.
結語
術前化学放射線療法は安全に施行可能である.しかしながら更なる予後改善に向けプロトコールの改良を含めた検討が必要である.
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