演題

O2-65-9-2

切除可能膵癌に対する手術先行治療の成績

[演者] 喜多 亮介:1
[著者] 貝原 聡:1, 水本 素子:1, 北村 好史:1, 近藤 正人:1, 瓜生原 健嗣:1, 小林 裕之:1, 橋田 裕毅:1, 細谷 亮:1
1:神戸市立医療センター中央市民病院 外科

【背景】切除可能膵癌に対する術前化学療法は予後改善が期待され臨床試験が進められている.一方で術前治療による潜在的over treatmentの可能性もあり,当院では切除可能膵癌に対して手術先行の治療方針としてきた.これらの症例の治療成績を検討し術前治療の必要性を検討した.
【対象ならびに方法】2009年1月~2016年11月までに当院で術前治療なく手術を施行した切除可能膵癌(膵癌取り扱い規約第7版に準拠)137例(男75例/女62例)を対象とした.術後再発に関与する因子として,TS1/T≦2/N0/R0/PV切除有無を解析した.さらに局所進展度因子CH/DU/S/RP/PV/A/PL/OOのサブグループ解析を行った.統計学的処理にはLog rank検定およびCoxハザード比例モデルを用いた.
【結果】平均年齢は72歳,術式は膵頭切除/尾側膵切除/膵全摘:79/52/6,StageIA/IB/IIA/IIB/III:7/4/30/95/1であり,DFS/OSの中央値は11.7ヶ月(10.3-16.4)/20.1ヶ月(16.9-25.1)であった.術後再発に関与する因子の単変量解析ではTS1(DFS 34.4ヵ月 p=0.028),T≦2(DFS 48.6ヵ月 p=0.013),N0(DFS 21.3ヵ月 p=0.016),R0(DFS 14.0ヵ月 p=0.044)が有意であった.これら全ては多変量解析にても有意な再発予防因子となった(TS1:p=0.0019 HR 2.05(1.29-3.38),T≦2:p=0.0084 HR 2.08(1.19-3.94),N0:p=0.0142 HR 1.67(1.10-2.58),R0:p=0.047 HR 1.63(1.08-2.58)).局所進展度因子に関するサブグループ解析では多変量解析にてCH0:p=0.0017 HR 1.98(1.30-2.96),DU0:p=0.016 HR 1.65(1.10-2.43),PL0(p=0.001 HR 2.01(1.33-2.99)で有意差が認められた.
【まとめ】切除可能膵癌では,TS1/T2以下/リンパ節転移なしの症例にR0切除を行うことにより有意に良好な無再発生存が得られた.また腫瘍進展度因子ではCH/DU/PL陽性が有意に不良でありS/RP等の他の因子では差が認められなかった.
【結語】切除可能膵癌症例の中で,潜在的over treatmentの可能性を少なくすべく手術先行治療で良好な予後が得られる症例を提示した.
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