演題

O3-136-12-4

胆嚢腫瘍性病変における腹腔鏡下胆嚢摘出術の妥当性

[演者] 岡本 共弘:1
[著者] 波多野 悦朗:1, 岡田 敏弘:1, 宇山 直樹:1, 鈴村 和大:1, 裵 正寛:1, 麻野 泰包:1, 中村 育夫:1, 近藤 祐一:1, 藤元 治朗:1
1:兵庫医科大学病院 肝・胆・膵外科

【目的】
ガイドラインでは,「胆嚢ポリープが10mm以上で,かつ増大傾向を認める場合,あるいは大きさにかかわらず広基性の場合,胆嚢癌の頻度が高く,胆嚢摘出術が推奨される」とされているが,良悪性の鑑別が困難である場合は術式の選択に苦慮する場合がある.良悪性の正診率および腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)の適応を明らかにするために以下の検討を行った.

【対象と方法】
2006年1月から2016年11月までに当科で胆嚢腫瘍性病変(ポリープ,腺筋症,癌およびその疑い)と診断され手術を行った187例を対象とし,胆石症や偶発的に発見された胆嚢癌は除外した.診断には超音波検査,CT,MRI,PET,腫瘍マーカーを用い,良性あるいは良悪の診断のつかない症例の一部をLCの適応とした.

【結果】
187症例のうち,術前に良性腫瘍と診断されたものは91例48.7%で,術前悪性と診断されたものは70例37.4%,良悪性鑑別困難と診断されたものは26例13.9%であった.術後最終診断で良性と診断されたのは127例67.9%,悪性は60例32.1%で,術前良性で最終診断悪性は4例4.4%,術前悪性で最終診断良性は36例38.7%であり,良性正診率は95.6%,悪性正診率は67.1%であった.術前良悪性鑑別困難例で,17例68.0%が良性腫瘍であり,8例32%が悪性腫瘍であった.良性17例中,1例に肝切除を伴う拡大手術が行われ,16例はLCが施行され,悪性8例中,1例に拡大手術,1例に開腹胆摘,6例にLCが施行された.この6例のうち2例がm癌であり,4例がss胆嚢癌であったが,うち2例に追加切除を行い,他病死を除く全例が無再発生存中である.
最終診断で良性,悪性群の比較では,65歳以上,腫瘍径10mm以上,単発,広基性,壁不整,血流シグナル陽性,腫瘍マーカー陽性が有意に悪性群に多く,術前腫瘍径では16mmがカットオフ値として得られた(感度0.909,特異度0.798).術前腫瘍経10~15mmの54例において,49例90.7%が良性,5例9.3%が悪性で,そのうち3例(5.6%)が早期癌であり,2例(3.7%)がss胆嚢癌であったが,全例が無再発生存中である.

【結論】
境界型の胆嚢腫瘍においては良悪の鑑別は困難であるが,積極的に悪性所見を伴わない15mm以下の胆嚢腫瘍ではLCの選択は適切である.
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