演題

O2-98-15-6

肝内胆管癌術後再発に対する切除の意義

[演者] 有田 淳一:1
[著者] 冲永 裕子:1, 赤松 延久:1, 金子 順一:1, 阪本 良弘:1, 長谷川 潔:1, 國土 典宏:1
1:東京大学大学院 肝胆膵外科学

【目的】肝内胆管癌患者において根治をのぞめる唯一の治療法は切除であるが,切除後再発に対する再切除の意義や,再切除の適応基準は定まっていない.当施設の長期成績を解析し,再発切除の意義を考えた.【方法】1995年から2016年に肝内胆管癌に対して初回切除を行い肉眼根治の得られた133人の患者を対象にして後ろ向き解析を行った.再発腫瘍が限局性であり,特に初回切除からの無再発期間が1年以上ある場合には積極的に切除を行った.再発腫瘍に対する切除を行った患者の長期成績を解析した.【成績】133人のうちわけは男性73人,女性60人,年齢は中央値66 (33-88)才,腫瘍径は中央値4.5 (1.2-12) cm,肝門浸潤を伴う腫瘍は44人であった.全患者の5年生存率は41%,5年無再発生存率は29%であった.再発患者94人のうち,切除を行った18人では再発診断日を起点とした生存期間中央値は34.7ヶ月で3・5年生存率は48%・21%であった.一方,非切除76人では生存期間中央値は12.6ヶ月で3・5年生存率は13%・5%であり,両者で有意差を認めた(P=0.014).初回切除からの無再発期間の中央値は,再発切除患者が再発非切除患者に比較して有意に長かった(20.6ヶ月 vs 7.6ヶ月; P=0.002).再発切除患者での再発腫瘍部位の内訳は肝再発のみが12人,肝再発とリンパ節再発の合併が1人,肺再発が3人,胆管再発が1人,脳再発が1人であった.再発診断後の生存期間中央値は,肝再発のみの12人では42.0ヶ月,肝外転移を切除した6人では39.8ヶ月でKaplan-Meier曲線も類似していた(P=0.93).再発切除患者18人の切除後無病期間中央値は11.4ヶ月であり1年無病率は36%であった.【結論】肝内胆管癌術後再発に対しては,肝外転移があっても再発腫瘍が限局性であり,初回切除からの無再発期間が比較的長い患者を選択して再発腫瘍切除を行うことで比較的良好な生命予後が期待されることが示唆された.しかし,再発切除後1年以内に2/3程度の患者が再々発を来すことから,有効な補助化学療法が望まれる.
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