演題

O2-98-15-4

肝内胆管癌に対する治療戦略:予後因子の解析と術前補助療法の可能性

[演者] 見城 明:1
[著者] 木村 隆:1, 石亀 輝英:1, 岡田 良:1, 小船戸 康英:1, 佐藤 直哉:1, 渡邊 淳一郎:1, 志村 龍男:1, 河野 浩二:2, 丸橋 繁:1
1:福島県立医科大学医学部 肝胆膵・移植外科, 2:福島県立医科大学医学部 消化管外科

【はじめに】肝内胆管癌(ICC)は,外科手術が最も有効な治療法であるが,術後再発が高率であり,術後再発を低減する周術期治療戦略の検討が必要である.
【目的】当院の外科手術を施行した腫瘤形成型(MF)を含むICC切除症例を対象として,術前・手術および組織学的要因に関して後方視的に検討し,予後因子の抽出と術後再発の背景因子を検討することを目的とした.
【対象,方法】1992年~2016年に当科にて切除を行った肝内胆管癌42例のうち,胆管内発育型を除くMF型またはMF+胆管浸潤型(PI)の38症例を対象とした.手術は,腫瘍の局在により術式を決定し,術前画像診断で胆管周囲浸潤を伴う症例または画像上リンパ節転移が疑われる症例に対し肝十二指腸間膜内を中心としたリンパ節郭清を行った.予後因子の解析はKaplan-Meier解析(log-rank検定),再発因子の評価はχ2検定で行った.
【結果】男19, 女19 (%男=50.0%), 年齢(中央値) 69歳(40-86).MF 12例,MF+PI 26例.T2 / T3 / T4 8例 / 24例/ 6例, Stage II /III /IVA /IVB 8例 /14例 /13例 /3例.治療は,肝葉切除29例(76.3%),リンパ節郭清29例(76.3%),胆道再建 12例(31.6%)に実施し,R0は 35例 (R0率 92.1%)であった.補助療法は14例(術前4例(10.5%),術後13例(34.2%))に施行した.ICC切除症例の1年,3年生存率は75.9%, 65.7%であり,画像上の脈管浸潤陽性(n=11, p=0.036), 肝内多発病変(n=7, p=0.002), および組織学的漿膜浸潤(s)陽性(n=11, p=0.003), 組織学的門脈浸潤陽性(n=24, p=0.008), 腫瘍遺残 (n=3, p<0.001),術後再発(n=23, p<0.001)が予後因子として抽出され,リンパ節郭清や補助療法は有意な因子ではなかった.ICC術後再発は2年以内が73.9%(17/23例)と高率で,画像上の脈管浸潤陽性(p=0.004),s(p=0.019)が有意な因子であり,多数病変 (p=0.06)にも再発と関連する傾向を認めた.術前画像診断で治癒切除困難と判断した4症例(両葉多発1例,Vp3/Va3 2例,No16 LN転移1例)では術前化学療法を実施しR0切除となり,CA19-9が正常化した2例および画像上PR 1例の計3例で術後長期生存(2.3年・10.5年無再発生存,8.9年再発生存)を得ている.
【結語】ICC切除例の予後因子は,脈管浸潤陽性,肝内多発病変,S陽性であり,術前の画像診断で予測可能な因子である.手術ではR0切除となることが重要であり,術前化学療法を実施する際,CA19-9の推移や腫瘍縮小効果が予後予測因子となり得る可能性がある.
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