演題

O2-98-15-3

肝内胆管癌に対するリンパ節廓清と化学療法の意義

[演者] 谷合 信彦:1
[著者] 吉岡 正人:1, 清水 哲也:1, 近藤 亮太:1, 金谷 洋平:1, 青木 悠人:1, 神田 知洋:1, 川野 陽一:3, 吉田 寛:2, 内田 英二:1,2
1:日本医科大学付属病院 消化器外科, 2:日本医科大学多摩永山病院 消化器外科・乳腺外科・一般外科, 3:日本医科大学千葉北総病院 外科

【目的】肝内胆管癌はリンパ行性転移形態をとり,リンパ節転移例の予後は極めて不良である.今回,肝内胆管癌手術例を検討し,リンパ節廓清の意義を検討した.
【方法】2000~2016年の肝内胆管癌に対する手術例61例を対象とした.腫瘤形成型34例,胆管浸潤型19例,腫瘤形成型+胆管浸潤型7例,胆管内発育型1例であった.リンパ節転移陽性群23例,陰性群38例および進行例(major hepatectomy)47例における,発育形態別生存率,予後因子を検討した.さらに抗癌剤治療(ゲムシタビン)17例,無治療(胆道ドレナージなど姑息的治療のみ)46例であった.それぞれの生存率を比較するとともに,術後再発後抗癌剤治療例10例を含む抗癌剤治療例27例の治療効果,手術症例の予後因子を検討した.
【成績】腫瘤形成型は陽性(n=9),陰性(n=25)群の累積3,5年生存率はそれぞれ18.5%,18.5%と50.4%,25.2%と,陽性群は低い傾向にあった(P=0.1726).さらにリンパ節陽性群のうち1群,2群のみ(n=7)と 3群以上(n=2)の1年,2年生存率はそれぞれ100%,53.3%と0%,0%で有意に2群以下の生存率が高かった(p=0.003).胆管浸潤型は陽性(n=10),陰性(n=9)群の累積3,5生存率がそれぞれ23.6%,0%と74.1%,37.0%と腫瘤形成型より高く,陽性群は低い傾向にあった(P=0.0755).また,major hepatectomy を必要とする進行例においても陽性(n=19),陰性(n=28)群の累積3,5年生存率はそれぞれ22.3%,14.9%と51.0%,29.1%と,陽性群は低い傾向にあった(P=0.2944).腫瘤形成型予後因子は腫瘍数(p=0.0321)のみが有意なものであった.年齢,Stage分類,脈管浸潤,肝管空腸吻合の有無,手術時間,術中出血量さらにリンパ節転移の有無などは有意な予後因子はなかった.浸潤型では有意な予後因子はなかった.
抗癌剤治療例,無治療例の6ヵ月,1年生存率がそれぞれ67.5%,67.5%,30.5%,10.2%と有意に治療例が高かった(P=0.0003).術後再発後抗癌剤治療例と初回抗癌剤治療例の1年,2年生存率はそれぞれ70.0%,46.7%,67.5%,45.0%と差はなかった.
【結論】肝内胆管癌におけるリンパ節転移症例は転移ない症例に比べ予後不良である.が,2群以内に転移が限局していればリンパ節廓清を行う意義はあると思われる.さらにゲムシタビンによる化学療法は有意に予後を改善していた.術後再発例の投与により生存率をより改善可能と考える.
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