演題

O2-98-15-1

胆管細胞癌の局在はリンパ節郭清の適応や範囲の判断基準になりうるか

[演者] 光法 雄介:1
[著者] 赤星 径一:1, 巌 康仁:1, 小野 宏晃:1, 松村 聡:1, 伴 大輔:1, 落合 高徳:1, 工藤 篤:1, 田中 真二:2, 田邉 稔:1
1:東京医科歯科大学附属病院 肝胆膵外科, 2:東京医科歯科大学大学院 分子腫瘍医学

【背景・目的】胆管細胞癌のリンパ節転移は予後不良因子の一つとして考えられているが,リンパ節郭清の適応や範囲については確立されていない.より厳密で効果的なリンパ節郭清について検証する.
【対象・方法】2000年4月から2016年3月で,胆管細胞癌(MF優位型)に対してR(-)手術を施行した61例を対象とした.手術時のリンパ節郭清の適応と範囲について基準はなく術者の判断に委ねられていた.まず術後に再発した症例で初発部位がリンパ節のものとそれ以外のものの予後を比較した.次に,画像評価が可能であった2006年1月からの48症例において,主病変の部位が①左葉か右葉か,②肝門に接している(肝門型)か肝表近くの末梢(末梢型)かにおける,初発リンパ節再発の違いについて検討した.
【結果】「リンパ節再発とその他の再発の検討」再発の初発部位として,リンパ節再発をきたしたもの(13/61例)は,それ以外の部位に再発をきたしたもの(28/61例)より,再発までの期間が長い傾向にあった(中央値:527日 vs 251日,p=0.057).また,全生存期間には大きな差異は認めなかった(中央値:795日 vs 631日,p=0.3).「病変局在とリンパ節再発の検討」リンパ節郭清は27/48例に施行されており,初発リンパ節再発は郭清施行例中9例,非施行例中3例に認め,リンパ節郭清の有無で初発リンパ節再発の頻度に有意差はなかった(p=0.18).主病変が左葉(27/48例)か右葉(21/48例)かで,初発再発がリンパ節再発である頻度に違いは見られなかった(左葉:8/27例,右葉:4/21例,p=0.489).しかし,初発再発がリンパ節である場合,主病変が左葉に局在していたものは明らかに胃小彎から縦隔のリンパ節転移が多かった(左葉:5/8例,右葉:0/4例,p=0.031).また肝門型か末梢型かにおいても,肝門型で明らかに胃小彎から縦隔のリンパ節転移が多く,それらの症例は上記の左葉の症例と一致していた.
【結論】胆管細胞癌において,初発リンパ節再発をきたすものは再発までの期間が長く,適切なリンパ節郭清は再発を抑制する可能性が示唆された.また,主病変が左葉にあり,肝門部グリソンに接する場合は,少なくとも胃小彎のリンパ節は郭清すべきであると考えられた.
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