演題

がん探知犬とその先の科学と医療

[演者] 宮下 正夫:1
1:日本医科大学千葉北総病院 外科

がん症例の尿中などには特異的なにおい物質すなわちがん特異的揮発性バイオマーカーが含まれることが知られています.一方,犬の嗅覚は人間の嗅覚の数億倍優れているといわれています.この優れた嗅覚を利用してがん特異的揮発性バイオマーカーを嗅ぎ分け,がん患者の識別を行うのががん探知犬です.今回,がん探知犬がどのようにしてがん症例を識別するのか,どこまでわかるのか,などについての知見を紹介します.
がん探知犬は,ラブラドールレトリーバーで,食道がん,胃がん,大腸がん,乳がん,子宮がんなど多種類のがん症例の尿検体を正常人の尿検体から識別します.早期がんも進行がんと同様にほぼ100%識別が可能です.並行して,尿中のがん特異的揮発性バイオマーカーの分析同定作業をGCMSあるいはFAIMSなどの機器を用いて行っています.
現在,地方自治体と協力してこれらの成果を活かしたがん検診を計画しています.尿を用いるだけの非侵襲的な検査であり,無駄な侵襲的検査が省けることから効率のよいがん診断と医療費削減など多くの可能性を期待しています.
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