演題
O2-97-15-6
肝内胆管癌のリンパ節転移陽性例の予後に対する評価 |
【背景】肝内胆管癌のリンパ節転移は予後不良因子として挙げられるが,その詳細は明らかでない.【目的】肝内胆管癌のリンパ節転移の分布・個数・割合がどのように予後に影響するか検討する.【対象】当院で1996年から2015年までに肝内胆管癌に対して初回肝切除かつ肉眼的根治切除 (R0/1切除)がなされた腫瘤形成型及びその優越型の69例【結果】男/女=44/25,年齢中央値65歳.リンパ節に対しては,郭清を44例 (63.8%),サンプリングのみが19例 (27.5%)に施行され,6例 (8.7%)はサンプリングも施行しなかった.29例 (42.0%)にリンパ節転移を認めた.OSに対する独立した予後不良因子は肝内転移 [HR 3.88 (95%CI 2-7.52), p<0.01],リンパ節転移 [HR 2.36 (1.28-4.35), p=0.006]の2つだった.リンパ節転移例 (n=29)でリンパ節転移部位・陽性リンパ節個数と割合を更に検討した.腫瘍の局在に応じて,リンパ節の分布を右肝優位であれば1群 (#12),2群 (#7, 8, 9, 13),3群 (#14, 16)に,左肝優位であれば1群 (#1, 3, 12),2群 (#7, 8, 9, 13),3群 (#14, 16)に分けた.3群に転移を有する症例は1,2群に転移を有する症例と比較し,予後不良だった(p=0.049).陽性リンパ節の個数は予後に影響を与えなかった.陽性リンパ節個数/郭清リンパ節個数≦0.2は0.2<と比較し,予後良好だった (p=0.024).多変量解析でも陽性リンパ節個数/郭清リンパ節個数≦0.2が独立した予後因子に挙げられた[HR 2.67 (1.10-6.49, p=0.029)].陽性リンパ節個数/郭清リンパ節個数≦0.2の予後はリンパ節転移陰性例と同等だった (p=0.273).【結語】肝内胆管癌のリンパ節転移で予後に影響を与えるのは陽性リンパ節個数の割合だった.これらの症例ではリンパ節郭清を行う意義があるかもしれない.