演題

O2-97-15-5

肝門型肝内胆管癌に対してのコンパートメント分類に基づいたリンパ節郭清の重要性

[演者] 竹村 裕介:1
[著者] 日比 泰造:1, 板野 理:1, 篠田 昌宏:1, 北郷 実:1, 阿部 雄太:1, 八木 洋:1, 藤田 優裕:1, 益田 悠貴:1, 北川 雄光:1
1:慶應義塾大学医学部 一般・消化器外科

背景:肝門型肝内胆管癌は予後不良である.肝門型肝内胆管癌におけるリンパ節郭清の意義を検証すべく,切除例のリンパ節転移様式と画像所見との相関と,予後を解析した.
対象と方法: 当科で1990年-2015年にR0/R1切除した肝門部領域を含む肝内胆管癌の37例を対象とした後ろ向きコホート研究.原則的に肝十二指腸間膜,膵頭周囲および総肝動脈周囲のリンパ節郭清を行い,左肝病変では胃小弯沿いと左胃動脈根部の郭清を追加した.Cox多変量解析により術後3年生存に寄与する臨床病理学的な因子を明らかにし,さらに転移陽性リンパ節をマッピングして転移率と予後に基づき3つのコンパートメント分類を行った
術前画像所見と病理学的所見の相関についてダイナミックCTを撮影できた14例について解析した.
結果:腫瘍径7.5cm(1.5-16.0)cm,腫瘤形成型およびその優越型21例(57%),
R0切除 34例(92%).リンパ節転移は16例(43%)に生じた.
3年生存率66%, 3年無再発生存率33%であった.(観察期間中央値34ヶ月) Cox多変量解析にてリンパ節転移とR1切除が独立した3年無増悪再発率における予後不良因子として同定された.
多変量解析ではリンパ節転移陽性[hazard ratio (HR) 4.1, 95% confidence interval (CI) 1.5-11.3, P = 0.006]とR1切除(HR 4.0, 95% CI 1.114.6, P = 0.04)が3年無再発生存の独立した予後不良因子であった.
転移陽性リンパ節4個以上の症例は転移個数1-3までの症例と比し有意に予後不良であった(P=0.006).リンパ節のコンパートメントは転移陽性率10%以上で3年生存例を有するI群, 陽性率5%以上10%未満で1年生存率50%超のII群, 陽性率5%未満で1年生存率50%未満のIII群(幽門上,腹腔動脈幹,傍大動脈リンパ節)に分類し得た.術前CTでは転移リンパ節を6例の陽性例のうち5例で診断できたが,腫瘍の性状や造影効果は予後との関係において有意差を認めなかった.
結論:腫瘍の局在に基づく系統的なリンパ節郭清を行うことで正確な病期評価が可能.リンパ節転移個数が限られていれば郭清による予後延長効果を期待し得る.コンパートメント分類は郭清すべきリンパ節を決定する上で有用と思われる.
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