演題

O2-97-15-4

末梢型肝内胆管癌と肝門型肝内胆管癌の臨床病理学的異同

[演者] 高橋 智昭:1
[著者] 松山 隆生:1, 森 隆太郎:1, 平谷 清吾:1, 藪下 泰宏:1, 澤田 雄:1, 大田 洋平:1, 熊本 宜文:1, 遠藤 格:1
1:横浜市立大学医学部 消化器・腫瘍外科学

【背景・目的】肝内胆管癌は,腫瘍の局在から末梢型肝内胆管癌(peripheral intrahepatic cholangiocarcinoma;P-IHCC)と肝門浸潤型肝内胆管癌(hilar intrahepatic cholangiocarcinoma;H-IHCC)の2つに分類される.P-IHCCは肝切除を,後者は肝切除と肝外胆管切除を要することが多い.治療方針を検討する上で両者の臨床病理学的差異を明らかにすることは重要である.【対象・方法】対象は1993年4月から2015年12月までに教室で経験した肝内胆管癌切除121例から胆管内発育型, 在院死亡例を除いた107例をP-IHCC 65例とH-IHCC 42例の2群に分けて臨床病理学的因子を比較検討した. 【結果】長期成績を比較するとH-IHCC は3年生存率:37.8%,MST:26.8ヶ月で,P-IHCCの3年生存率:61.9%, MST:53.0ヶ月に比し不良な傾向にあった(P=0.063). 臨床因子を比較すると,H-IHCCでは術前黄疸ありの症例を有意に多く認めた(P<0.001).手術因子を比較すると,H-IHCCでは手術時間10時間以上の症例(P<0.001),血管合併切除施行症例(P<0.001),肝外胆管切除症例(P<0.001)を有意に多く認めた.病理学的因子を比較すると, H-IHCCでは有意に肉眼型に胆管浸潤型を多く含み(P<0.001), 病理学的リンパ節転移陽性(P<0.001),stageⅣ以上(P=0.018)の症例を有意に多く認めた.H-IHCC 42例の内27例(64.3%)にリンパ節転移を認め,6例(14.3%)に肝内転移(im+)を認めた.また,肝内転移を認めた6例中5例(83.3%)にリンパ節転移を認めた.H-IHCCの治療成績を検討すると, n+かつim+の6例のMSTは 9.5ヶ月で, それ以外の症例21例のMST:32.4ヶ月に比し有意差はないものの不良であった(P=0.213). H-IHCCのn+かつim+の症例5例の内4例で 塩酸ゲムシタビン(以下GEM)を用いた術後補助化学療法が施行されていたが,そのMSTは11.7ヶ月と非常に不良であった. 【結語】H-IHCCでn+かつim+症例の予後は非常に不良であった.術後補助化学療法でもその予後の改善は困難であり切除の是非も含めて,新たな治療法の開発が急務である.
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