演題

O2-97-15-3

当科における肝門部領域に及ぶ肝内胆管癌の治療成績と治療戦略

[演者] 吉澤 隆裕:1
[著者] 増尾 仁:1, 福島 健一郎:1, 北川 敬之:1, 野竹 剛:1, 本山 博章:1, 清水 明:1, 横山 隆秀:1, 小林 聡:1, 宮川 眞一:1
1:信州大学附属病院 消化器外科

【背景】肝門部領域に及ぶ肝内胆管癌(肝門型ICC)の治療に関して,リンパ節郭清(LND)や肝外胆管切除(BDR)については議論の余地があり,化学療法のプロトコールも施設により異なっているのが現状である.
【目的】当科における肝門型ICC切除例において,手術及び術後補助化学療法(AC)の治療成績をもとに治療戦略を検討する.
【方法】1990年1月~2016年9月におけるICC切除例117例中,末梢型ICCを除いた腫瘤形成(MF)型,MF+胆管浸潤(PI)型40例を対象.当科では肝機能が良好であれば,原則として癌の進展範囲に応じた拡大肝葉切除,病変が肝外胆管に及ぶ場合はBDR,リンパ節転移陽性が疑われる症例にはLND(#8, #9, #12, #13)を施行している.ACは2006年~10年Gemcitabine療法[1,000mg/m²,3投1休,6コース],2010年以降Gemcitabine/CDDP(GC)療法[Gemcitabine 800mg/m²,Cisplatin 25mg/m²,2投1休,6コース]を施行.
【結果】年齢中央値68歳,男性26/40例.BDR 29/40例,LND 34/40例,ACは2007年以降13例に施行.生存期間中央値 22.9ヵ月,無再発生存期間中央値14.4ヵ月.2年生存率46%,5年生存率29%.52ヵ月以上生存例の死亡例なし(N=10).多変量解析では,リンパ節転移陽性例(HR 2.97, p=0.0258, 95%CI 1.14-8.20),Vv(+)(HR 3.14, p=0.0173, 95%CI 1.22-8.71),CA19-9(HR9.15, p=0.0095, 95%CI 2.09-67.6)が独立予後不良因子.術後補助化学療法(AC)施行群と非施行群では生存期間の有意差は認めず(p=0.29).GEM療法施行群とAC非施行群間にも生存期間の有意差は認めず(p=0.99).GC療法施行群はGC療法非施行群と比較し予後が良好な傾向(p=0.07).GC療法を施行しなくても予後が良好であったstage I症例を除いたstage II以上の群において,GC療法施行群は生存率が有意に良好(2年生存率62% vs 39%,p=0.0374).
【結語】肝門型ICCにおいてリンパ節転移,Vv,CA19-9の予後への関与が認められた.LND,BDR,ACの予後改善効果は明らかではないが,stage II以上の群においてはGC療法による予後延長効果が示された.GC療法はstage II以上のICCにおいて予後を改善する可能性が示された.
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