演題

O2-97-15-2

肝門部領域のMF型およびMF+PI型肝内胆管癌と肝門部胆管癌との治療成績の比較

[演者] 益田 邦洋:1
[著者] 中川 圭:1, 深瀬 耕二:1, 水間 正道:1, 大塚 英郎:1, 林 洋毅:1, 森川 孝則:1, 元井 冬彦:1, 内藤 剛:1, 海野 倫明:1
1:東北大学大学院 消化器外科学

【当科の肝内胆管癌(ICC)の術式選択】
末梢小型のMF型ICCを除き,肝門部領域のMF型,MF+PI型のICCに対して,肝十二指腸間膜内の腫瘍進展を考慮し,拡大肝葉切除+肝外胆管切除(BDR)を標準術式とし,肝門部胆管癌(EH-CC)と同様にLN郭清(LND)を施行している.
【対象と目的】
1989年以降切除ICC 99例から予後良好なIG型15例,HCCと鑑別困難・全身状態不良でLND非施行13例を除いた71例の治療成績を検討.また同期間の肝門部胆管癌(EH-CC)切除症例と長期予後を比較し,術式の妥当性を検証する.
【結果】
ICCの年齢63歳(39-83),性別(男/女):48/23,MF/PI:66/5,肝門型/末梢型:32/39,主座(右葉/左葉):31/40,肝炎ウイルス(+/-):6/65,個数(St/Mt):59/12であった.術式:葉切除以上63例 (88.7%),BDR 50例(70.4%),PVR14例(19.7%),胆道癌に準ずるD2以上LND52例(73.2%),R0/1/2:51(71.8%)/13(18.9%)/7(9.9%)を施行,全体の5生:31.7%,MST:27.3(月)であった.LN転移(LNM)は35例(49.3%)で,部位No12:30例(42.3%),No8:11例(15.5%),小彎LN:5例(7.0%)(左葉原発) に認め, No16:8例(11.3%)であった.LNM(+/-)のOSはMST:14.3/36.2(月),5生:22.0/41.8(%)で,LNM+は予後不良な傾向で(p=0.071),個数(St/Mt)ではMST:35.9/12.3(月),5生:37.8/8.3(%)で,Mt+は有意に予後不良だった(p=0.010).術式別ではBDR(+/-)でLNM+が52.3/40.0(%)と多い傾向だが,OSはMST:27.3/14.3(月),5生:33.8/26.4(%)でBDR+で予後良好な傾向がある(p=0.198).
同期間でのEH-CC 285例は,年齢68歳(28-85),性別(男/女):202/83,LNM+ 131例(46.1%),16LN+21例(7.4%),R0/1/2:193(67.7%)/85(29.8%)/7(2.5%)だった.
上記ICCと比較すると,ICC/EX-CC 全体5生:31.7/35.4(%),MST:27.3/37.7(月)で(p=0.504),LNM+では5生:22.0/18.0(%),MST:14.3/23.7(月)(p=0.644),LNM-で41.8/49.8%, MST 36.2/47.9月(p=0.661)と同等の傾向があった.ICCは肝癌取扱い規約では領域LNの規定はないが, 16LN+/-での比較では,16LN+でICC/EX-CC MST:9.9/14.1(月)(p=0.255),16LN-でMST :27.8/38.5(月)(p=0.338)で,16LN+ではICCの1例のみ長期生存であった.
【結論】
肝門部領域のMF型,MF+PI型ICC へのBDRを含むLNDを伴う肝切除は,肝門部胆管癌と同様に予後に寄与する可能性がある.ICCにおいても16LN+は予後不良であり,現在は手術適応外としている.ICCのLN転移の術前診断は依然として困難であり,病勢進行度と耐術能を評価し,積極的なBDRで切除成績向上が期待される.

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