演題

O2-96-15-6

当科での胆管細胞癌の外科治療成績

[演者] 古橋 暁:1
[著者] 坂口 孝宣:1, レ ミントゥイン:1, 木内 亮太:1, 武田 真:1, 平出 貴乗:1, 柴崎 泰:1, 森田 剛史:1, 菊池 寛利:1, 今野 弘之:1
1:浜松医科大学医学部 外科学第二

目的】 胆管細胞癌の最も根治性が期待できる治療は外科切除である.しかし,切除後成績は未だ不良で,胆道再建やリンパ節郭清の意義も議論が分かれる.また,周術期の化学療法のプロトコールも確立されていない.今回我々は,当科で施行した胆管細胞癌の根治切除症例をもとに妥当な治療法の検索を試みた.
【方法】 1978年1月から2015年12月までに当科で根治を目的に切除された胆管細胞癌50例(胆管内発育型は除外)の内,手術関連死亡3例を除いた47例を対象に,臨床病理学的因子を用いて後方視的に解析した.
成績】 年齢48~83歳(中央値: 64歳),男女比 31:16,主局在は右:左葉 28:19,肝門型:末梢型 22:25,腫瘍径1.2~25 cm(中央値: 6 cm)で,施行手術は解剖学的:非解剖学的 40:7,胆道再建有:無2 9:18,血行再建有:無12:35,リンパ節(LN)郭清有:無 41:6で,リンパ節郭清では,肝十二指腸間膜内 (#12)及び総肝動脈幹 (#8), 膵頭後部 (#13)に加えて,肝左葉の病変には胃小弯側 (#3)の郭清を追加した.腫瘍肉眼型分類では腫瘤形成型 (MF),胆管浸潤型 (PI),混合型 (MF+PI)がそれぞれ28, 6, 13例で,病理上血管浸潤陽性例は門脈12例 (26%), 動脈3例 (6%),リンパ節転移陽性は22例 (45%),肝内転移 (IM)は8例に認められた. 全症例の術後生存期間中央値は17か月で,1, 3, 5年生存率はそれぞれ65.3 , 34.9, 31.4%であった.有意な予後不良因子は,単変量解析では肝門型 (p=0.005),MF+PI or PI型 (p=0.005),IM陽性 (p=0.002),LN転移陽性 (p=0.015),神経浸潤陽性 (p=0.003)で,多変量解析ではIM陽性 (p=0.001),MF+PI or PI型 (p=0.048),神経浸潤陽性 (p=0.05)であった.ただし,単発リンパ節転移陽性は転移なしと予後に大きな差がなく,#8転移単発陽性2例は長期生存した. IM陽性8例は全例残肝再発をきたした.末梢型25例中6例の非解剖学的切除及びLN未郭清の再発例はほとんど残肝であり,リンパ節再発1例は大動脈周囲リンパ節再発であった.左葉原発19例は全て解剖学的切除+LN郭清施行したが,3例の#3 転移陽性例は全て予後不良だった.
結論】 肝門型に対して,解剖学的肝切除と#8を含めたリンパ節郭清は妥当である.末梢型に対するLN郭清の意義はないと考える.IM陽性,PI成分を伴う組織型,神経浸潤陽性症例や,左葉主座で#3LN転移陽性例は,切除やLN郭清のみでは不十分であり,術後補助療法を要する.
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