演題

O2-96-15-5

肝内胆管癌に対する臨床病理学的検討と治療戦略

[演者] 折茂 達也:1
[著者] 神山 俊哉:1, 蒲池 浩文:1, 横尾 英樹:1, 若山 顕治:1, 永生 高広:1, 島田 慎吾:1, 武冨 紹信:1
1:北海道大学大学院 消化器外科学分野Ⅰ

【背景】肝内胆管癌は発生部位の違いから肝門型と末梢型に大きく分けられるが,その解剖学的特性から臨床的な扱いは大きく異なり,予後も異なる可能性がある.【目的】当科における肝内胆管癌切除症例を,腫瘍局在(肝門型と末梢型)の観点から臨床病理学的因子の特徴と予後因子を解析し治療戦略を検討した.【方法】1997年から2016年までに当科で外科切除を施行し病理学的に肝内胆管癌と診断された103例を対象とした.術前CTで腫瘍がグリソン一次分枝に接触しているものを肝門型,その他を末梢型とした.【結果】全症例の5年生存率は42.4%,5年無再発生存率は22.2%であった.両群の内訳は肝門型48例,末梢型55例であった.5年生存率は肝門型31.8%であり,末梢型50.5%に比べ予後不良であった(p=0.0387).両群間で病理学的因子では腫瘍径,肝内転移,門脈浸潤,静脈浸潤,動脈浸潤には有意差を認めなかったが,肝門型は末梢型と比較して,胆管浸潤,リンパ節転移,非治癒切除が多く有意差を認めた(p=0.0003,p=0.0424,p=0.0003).また末梢型は肝門型と比較し,HBVまたはHCVの感染例が多く(p=0.0046),背景肝が障害肝である割合が高かった(p=0.0002).手術因子では肝門型は,有意に手術時間が長く(p<0.0001),出血量が多く(p=0.0002),胆管切除を行った症例が多く(p<0.0001),肝2区域切除以上の割合が多かった(p<0.0001).全症例の単変量解析では門脈浸潤,静脈浸潤,動脈浸潤,術後化学療法の有無では生存率に有意差を認めなかったが,腫瘍径,肝内転移,胆管浸潤,リンパ節転移,治癒度,腫瘍局在(肝門型と末梢型)で生存率に有意差を認めた.多変量解析では肝内転移,胆管浸潤が独立した予後因子であった.肝門型,末梢型それぞれの解析では肝内転移のみが予後因子であった.【結語】肝門型の肝内胆管癌は末梢型と比較して病理学的に胆管浸潤,リンパ節転移の頻度が高く,非治癒切除が多く,手術の侵襲度が高かった.肝門型は予後不良な傾向にあるが,腫瘍局在よりも病理学的因子の方がより予後に影響を与えると思われた.予後因子に関して,肝内胆管癌全体では肝内転移,胆管浸潤が予後因子であったが,肝門型だけでの解析では肝内転移のみが予後因子であったことから,肝門型では胆管切除,リンパ節郭清が重要であると思われた.
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