演題

O2-96-15-4

多結節肝内胆管癌に対する手術適応に関する検討

[演者] 濱野 玄弥:1
[著者] 竹村 茂一:1, 田中 肖吾:1, 伊藤 得路:1, 倉島 夕紀子:1, 青田 尚哲:1, 江田 将樹:1, 久保 正二:1
1:大阪市立大学大学院 肝胆膵外科学

【背景】複数結節(主として肝内転移)を有する腫瘤形成型肝内胆管癌(多結節肝内胆管癌)に対する手術適応については明確な基準がない.今回,複数結節を有する腫瘤形成型肝内胆管癌における,治療成績の解析から,多結節肝内胆管癌に対する手術適応について検討した.
【対象・方法】1997年1月から2016年11月の間に当科で手術を行った肝内胆管癌111例の内,多結節肝内胆管癌22例を対象とした.主腫瘍を含めた総結節個数が3個以内であり,かつ全結節が1区域内に限局している症例(A群: n=6)と,その他の症例(B群: n=16)とに分類し,予後を含む臨床病理学的所見を比較検討した.
【結果】両群の年齢,性別,BMI,糖尿病の有無,肝硬変の有無に差は認められなかった.血小板数はA群で比較的良好に保たれており(p=0.083),プロトロンビン活性値はA群で有意に高値(p <0.01),4型コラーゲン値,γ-GTP値はA群において有意に低値であった(p <0.01, p=0.039).両群のCEA, CA19-9, AFP, PIVKA-Ⅱ陽性率に差はみられなかった.手術時間はA群で有意に短く(p=0.047),術中出血量はA群で比較的少ない傾向がみられた(p=0.055).両群の血管侵襲の有無,漿膜浸潤の有無,リンパ節転移の有無,外科的切除断端陽性率に差は認められなかった.両群の術後補助化学療法の有無に差は認められなかった.術後1年,3年,5年生存率がA群で各々100%, 50%, 50%,B群で47%, 23%, 0%であり,累積生存率はB群に比較してA群で有意に良好であった(p=0.041).1年,2年無再発生存率はA群で各々50%, 17%, B群で20%, 13%であり,B群で早期再発例が比較的多い傾向が見られた(p=0.26).なお,リンパ節転移が認められなかったA群の4例の術後1, 3, 5年生存率は各々100%, 75%, 75%と良好であった.
【結語】多結節肝内胆管癌において,3個以内,1区域内に限局している症例は手術適応と考えられる.特にリンパ節転移陰性例では良好な予後が期待される.
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