演題

O1-52-18-1

当院における進行下部直腸癌に対する側方リンパ節郭清について

[演者] 角 泰雄:1,2
[著者] 松田 武:2, 山下 公大:2, 長谷川 寛:2, 山本 将士:2, 金治 新悟:2, 押切 太郎:2, 中村 哲:2, 鈴木 知志:2, 掛地 吉弘:2
1:神戸大学大学院 低侵襲外科学分野, 2:神戸大学大学院 食道胃腸外科学

【はじめに】当院では2011年までは,術前化学療法後に開腹下で側方リンパ節郭清を行っていたが,2012年より腹腔鏡下手術を導入した.腹腔鏡下側方リンパ節郭清術の手術手技を供覧するとともに,短期成績について報告する.
【適応および郭清範囲】Rbにかかる進行下部直腸癌症例で,治療前画像診断(CT,MRI,PET-CT)にて転移と判断された症例に対して術前化学放射線療法を施行した後に治療前転移陽性側のみ郭清する選択的側方リンパ節郭清を標準としている.郭清範囲はNo.263とNo.283のリンパ節としている.術前化学放射線療法を施行しない場合はガイドラインに沿って両側側方郭清(No.263とNo.283)を施行する.
【手術手技】閉鎖領域のリンパ節(No.283)郭清:内腸骨動脈から臍動脈・上下膀胱動脈・内陰部動脈からなる膀胱下腹筋膜,それに続く膀胱を内側,外腸骨動静脈から腰筋を外側,内腸骨動静脈を底面とした部分に囲まれた脂肪組織を閉鎖領域のリンパ節と考え,肛門挙筋腱弓が確認されるところまで十分に郭清する.内腸骨血管領域のリンパ節(No.263)郭清:膀胱下腹筋膜と尿管下腹神経筋膜に囲まれたリンパ節を含む脂肪組織と考える.ここでの注意点は,下腹神経との間の郭清となるNo.263Dの郭清で,この下腹神経を損傷しないように郭清することが重要である.
【結果】2012年1月より2016年11月までに26例42側に対して腹腔鏡下側方リンパ節郭清術を施行.2005年から2011年までの開腹手術群(20例28側)の成績も提示する.術式:低位前方切除術6例,直腸切断術20例(開腹手術群:低位前方切除術4例,直腸切断術16例.平均手術時間:715分(開腹手術群:426分).平均出血量:341.3ml(開腹手術群:1143.7ml).平均郭清リンパ節個数(片側):11.4個(開腹手術群:6.2個).合併症:排尿障害4例(3例は1年以内に改善)(開腹手術群:6例,改善0例).
【まとめ】腹腔鏡下側方リンパ節郭清術は手術時間の延長という面があるが,拡大視効果による開腹手術以上の精緻な郭清が可能で術後の排尿障害などの合併症軽減に有効な術式と考えられる.
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