演題

O1-51-18-1

下部直腸癌に対する術前化学療法および側方郭清を伴う原発切除症例の手術成績と術後成績

[演者] 西村 潤一:1
[著者] 高橋 秀和:1, 原口 直紹:1, 畑 泰司:1, 松田 宙:1, 竹政 伊知朗:2, 山本 浩文:1, 水島 恒和:1, 土岐 祐一郎:1, 森 正樹:1
1:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅰ, 2:札幌医科大学医学部 消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座

【はじめに】当院においては術前化学療法および側方郭清の適応を(1)腫瘍がRbにかかる症例のうち(2)深達度がT3以深と診断された症例または(3)リンパ節転移陽性と診断された症例としている.術前化学療法にはオキサリプラチンを併用した化学療法を施行している.当院において施行された術前化学療法施行後に腹腔鏡下側方リンパ節郭清を施行した症例は2011年より現在までで38例である.今回,手術成績および術後成績を報告する.【成績】年齢64(44-77)才,男女比24:14であった.化学療法前の予想深達度はT2:1例,T3:26例,T4:11例であり,予想リンパ節転移はN0:19例,N1:6例,N2:3例,N3:10例であった.オキサリプラチンベースの化学療法を3-6コース(予定12週間)施行した.総術時間は610分(404~961分),出血量は150(10-1440)mlであった.術後排尿障害を10例(26.3%)に認め,うち1例は外来でも導尿が必要であった.他,コンパートメント症候群2例,骨盤内膿瘍3例,イレウス6例を認めた.病理結果はpT0:4例,T1a:1例,T1b:2例,T2:16例,T3:13例,T4:2例,N0:25例,N1:3例,N2:3例,N3:7例,病理進行度はStage0:4例,StageI:16例,StageII:5例,StageIIIa:3例,StageIIIb:10例であった.化学療法に対する組織学的効果判定はGrade0:1例,Grade1a:16例,Grade1b:11例,Grade2:6例,Grade3:4例であった.側方郭清リンパ節個数は21個(12~35個),側方リンパ節は7例で陽性であった.側方リンパ節転移陽性症例の原発巣の化学療法効果判定はGrade1a:3例,Grade1b:4例であり,2以上を認めなかった.術後化学療法は32例(84.2%)に術後52.5日目(29-76日)に開始した.観察期間は1.5~67ヶ月であり,再発を9例(局所:3例,肝:3例,肺:2例,#273R:1例)に認めた.側方転移陽性例では7例中3例で再発した(局所1例,肺1例,肝1例).癌死は1例,他病死1例を認めた.【まとめ】オキサリプラチンベースの術前化学療法を下部直腸癌に施行し,側方リンパ節郭清を施行した結果,術後合併症を認める症例もあったが許容範囲内と考えられた.直腸癌に対する術前化学療法の有用性についてはさらなる症例の蓄積及び長期予後解析が必要である.
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