演題

O1-50-18-5

腹膜内外アプローチ併用自律神経温存骨盤リンパ節郭清術とその治療成績

[演者] 筒山 将之:1
[著者] 小森 康司:1, 木下 敬史:1, 大城 泰平:1, 伊藤 誠二:1, 安部 哲也:1, 千田 嘉毅:1, 三澤 一成:1, 伊藤 友一:1, 清水 泰博:1
1:愛知県がんセンター中央病院 消化器外科

【緒言】
当科では腫瘍下縁が腹膜翻転部より肛門側にあるcT2以深の直腸癌に対し,腹腔内・外アプローチを併用した自律神経温存側方リンパ節郭清(以下,LLND)を行い,pStageIII症例に術後補助化学療法を導入している.
側方郭清の手術手技を供覧するとともに,治療成績について報告する.
【対象・方法】
2007年から2016年までの期間で,原発性直腸癌に対してTME+LLNDが行われた249例について,後方視的に検討を行った.
側方郭清は腹膜内外アプローチを併用した両側側方郭清を標準としており,手術手技は以下の通りである.
下腹神経をテーピングする.大動脈分岐部より左右総腸骨動脈を露出しつつ仙骨前面を露出するように総腸骨リンパ節(#273),大動脈分岐部リンパ節(#280)を郭清する.この後,外腸骨動脈前面の脂肪織を末梢側に可及的に郭清しておく.内腸骨動脈を末梢側に向かい郭清行い,上膀胱動脈を温存・テーピングする(#263P).その後膀胱側腔を広く開放し,腹腔側からの剥離と交通させ,外腸骨リンパ節(#293)を郭清する.閉鎖神経のみ温存し,閉鎖リンパ節(#283)を郭清.上膀胱動脈より尾骨筋に至る内腸骨動脈リンパ節(#263D)を郭清する.
【結果】
年齢中央値は59歳,男/女性は170/79例,手術時間/出血量は380分/625ml(中央値)であった.肛門温存手術が164例に施行されており,側方リンパ節郭清数中央値は18個であった.
術後合併症(Clavien-Dindo分類≧GradeII)は35.3%(排尿障害7.3%,縫合不全4.3%,イレウス6.8%)に認め,術後在院日数中央値は23日であった.
側方リンパ節転移は65例に認め,pT1/T2/T3/T4でそれぞれ1/14/41/9例,側方リンパ節転移陽性数中央値は1個であった.各側方リンパ節の転移率は,#263D/P:15.3%/3.2%,#273:0.8%,#283:16.5%,#293:1.2%,#280:5.6%であった.
側方転移を有するpStageIII直腸癌48例のうち42例において術後補助化学療法が行われており,Oxaliplatin併用療法が25例(XELOX:20例/FOLFOX:5例)であった.側方転移を有するpStageIII直腸癌の5年無再発生存率(RFS)は68.8%で,うちOxaliplatin併用療法が導入された症例はRFS:79.3%であった.
【結語】当科における腹膜内外アプローチを併用した系統的側方郭清を行うことで,比較的良好な成績が得られている.また,術後補助化学療法としてOxaliplatin併用療法をClinical practiceとして導入しているが,その上乗せ効果も示唆された.
詳細検索