演題

O3-159-15-5

大腸癌肝転移切除後再発に対するrepeat resection の意義

[演者] 酒井 望:1
[著者] 清水 宏明:1, 吉富 秀幸:1, 古川 勝規:1, 高屋敷 吏:1, 久保木 知:1, 高野 重紹:1, 鈴木 大亮:1, 宮崎 勝:2, 大塚 将之:1
1:千葉大学大学院 臓器制御外科学, 2:国際医療福祉大学三田病院 外科・消化器センター

背景
大腸癌肝転移は外科的切除により予後の延長が期待される一方,切除後の再発率が高いことが知られている.初回肝切除後の肝再発に対するrepeat resectionの有用性が報告されているが,肝外再発を有する症例に対する治療方針には未だ明確な基準はない.
対象と方法
2000年1月から2015年12月までに当教室において大腸癌肝転移に対し初回肝切除を施行した214例を対象に再発形式,治療成績等について検討した.
結果
無再発症例も含む214例全体の生存期間中央値(MST)はMST46か月,5年生存率41.3%.初回肝切除後再発は149例 (69.2%)に認めた.再発形式は肝単独57例 (38.3%),肺単独30例 (20.1%),肝肺同時16例 (10.7%),その他(肝,肺を含む複数,リンパ節,局所,腹膜,脳,副腎,小腸,骨,胸膜)46例 (30.9%)であった.肝外も含めた再発リスク因子は腫瘍個数,同時性転移が抽出され,肝再発に限定すると腫瘍個数,surgical marginが抽出された.肝単独再発群の再切除率は75.4%(43/57).再切除群はMST 71ヶ月,5年生存率56.3%,切除不能群はMST 20ヶ月,5年生存率0%.再肝切除の可否には両葉転移,腫瘍径,腫瘍個数,初回切除時のmajor hepatectomy (3亜区域以上)が有意に相関していた.肺単独再発群の再切除率は70.0% (21/30).再切除群はMST94ヶ月,5年生存率65.3%,切除不能群はMST37ヶ月,5年生存率0%.肝,肺以外の再発に対する切除は21.7%に行われ,切除率は低いものの切除可能群では5年生存率56.3%で予後が良い傾向にあった.複数回再発に対するrepeat resectionの成績について検討したところ1~3回,4回以上切除後のMSTはそれぞれ58ヶ月,41ヶ月,62ヶ月,47ヶ月,5年生存率は49.4%,46.5%,51.5%,24.3%であった.再切除不能群では化学療法施行群でMST30ヶ月,5年生存率9.8%であり非施行群に対し有意に予後が延長していた.
結語
大腸癌肝転移初回切除後再発率は高率であるが,肝,肺以外の再発も含め再切除可能群では予後は良好であり,また,複数回の切除後も同等の予後延長効果が期待できるため,可能な限り積極的切除を考慮すべきである.
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