演題

O3-159-15-4

大腸癌肝転移術後再発に対する外科的治療の意義とその予測因子

[演者] 今井 克憲:1
[著者] 山下 洋市:1, 坂本 快郎:1, 山尾 宣暢:1, 甲斐田 剛圭:1, 中川 茂樹:1, 橋本 大輔:1, 近本 亮:1, 石河 隆敏:1, 馬場 秀夫:1
1:熊本大学大学院 消化器外科学

【背景】手術技術の向上やより効果的な化学療法の登場により,大腸癌肝転移(CRLM)の手術適応は飛躍的に拡大している.一方でその半数が術後再発を来し,再発に対する治療はCRLM患者の長期生存において非常に重要である.【方法】 2000年4月から2016年4月にCRLMに対し初回肝切除を行った193例(whole cohort)のうち,再発を認めた113例(58.5%)を対象とした.再発に対するrepeat surgery施行の有無と相関する因子をLogistic regression analysisを用いて同定し,これを基にrepeat surgeryを施行できるかどうかを予測するpredictive modelを構築した.【結果】 Whole cohortにおける肝切除術後の5年生存率(OS),5年無再発生存率(DFS)はそれぞれ 51.9%, 21.4%であった.再発のパターンは single site再発が100例(肝:61,肺:22,その他:17), multiple site再発が13例であった.再発に対し,再肝切除が25例に,ラジオ波凝固療法が12例(肝:9,肺1,骨1),肝外転移巣の切除が17例に施行された.根治目的のrepeat surgeryは59例(52.2%)に行われ,repeat surgeryを行った群は行わなかった群に比較して有意にOSは良好であった(5年OS:60.7% vs 19.5%,p<0.0001).Multivariate logistic regression analysis にて,primary N0(relative risk(RR)2.93, p=0.017),肝切除時のICG15分値< 10% (RR 2.49, p=0.04),肝切除時のCEA < 5 ng/mL(RR 2.96, p=0.017)が,repeat surgeryの施行を予測する独立規定因子として同定された.これらの因子を用いてrepeat surgery施行の有無を予測するpredictive modelを構築した結果,いずれの因子も陰性の場合は,repeat surgery のprobabilityは19.6%(5年OS:71.1%)であったが,1因子陽性で37.7-41.9%(5年OS:37.3%),2因子陽性で63.9-67.8%(5年OS:48.0%)となり,3因子すべて陽性では84.0%(5年OS:10.8%)まで増加した.【まとめ】 肝転移切除術後の再発に対するrepeat surgeryは有意に予後を改善し,積極的に行うべきと考えられた.今回のpredictive modelは肝転移切除後再発に対するrepeat surgeryを肝転移切除前に予測することができ,外科的治療の適応に関するpatient selectionに有用であると考えられた.
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