演題

O3-158-15-4

大腸癌肝転移症例に対する新たなGrade分類を求めて

[演者] 戸田 怜:1
[著者] 瀬尾 智:1, 西野 裕人:1, 福光 剣:1, 石井 道隆:1, 田浦 康二朗:1, 安近 健太郎:1, 岡島 英明:1, 海道 利実:1, 上本 伸二:1
1:京都大学大学院 肝胆膵・移植外科学

【はじめに】大腸癌に対する化学療法が標準化され,肝転移症例の治療成績も改善を認めている.今回,当院の大腸癌肝転移症例の治療成績を検討し,大腸がん取り扱い規約の肝転移Grade分類の意義の考察と,現状に即した修正案の考案を行った.
【対象と方法】2005年1月-2015年3月までに肝切除術を施行した大腸癌肝転移症例169例について検討.また異時性転移のうち原発術後6か月以内の再発例は早期再発群と定義して検討.
【結果】男性68例,女性61例,平均年齢65歳(36歳-87歳).
Grade分類ではA群86例/B群51例/C群32例,5年生存率(OS)=66.9%/68.7%/45.6%(p<0.001),全生存期間中央値(MST)=41.3か月/43.0か月/27.2か月(p<0.01).H因子は予後に相関を認めたがN因子では認めず.
各グループのOSはH1N0-1/H1N2/H1N3orM1/H2N0-1/H2N2=74.4%/77.0%/62.5%/61.8%/62.5%であり,H1N2をGradeAへ,H2N2とH1N3/M1をGradeBへと変更して検討した.
修正案A群106例/B群46例/C群17例,OS=68.3%/58.4%/27.2%(p<0.0001),肝切除後のDFS=28.8か月/16.3か月/7.4か月(p<0.05).
同時性肝転移80例/異時性早期再発群16例/それ以降の再発群73例,MST=36.8か月/31.1か月/42.0か月(p=0.83).
【考察】化学療法の標準化による予後向上に伴い,GradeAとBの結果に差が無くなったが,修正案では予後とGradeの相関を認めた.また早期再発群は予後が悪く,同時性転移に準じた治療を考慮すべきである.
【結語】H因子を重視して修正したGrade分類は現状に即しており,有用である.
また再発時期を考慮した治療戦略をたてることで,大腸癌肝転移症例の更なる予後の向上が期待される.

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