演題

O1-40-15-4

大腸癌腹膜播種のCurB切除は予後を改善する

[演者] 山口 悟:1
[著者] 志田 陽介:1, 井原 啓佑:1, 横山 悠:1, 尾形 英生:1, 伊藤 淳:1, 中島 政信:1, 佐々木 欣郎:1, 土岡 丘:1, 加藤 広行:1
1:獨協医科大学医学部 第一外科学

【はじめに】初発大腸癌の4-7%に腹膜播種を伴う.近年,進行再発大腸癌に対する化学療法の進歩によって,腹膜播種性転移を伴う大腸癌の予後は改善している.今回,自験例の治療成績から,CurB切除の有効性と予後予測のマーカーについて検討した.
【対象と方法】2000年1月から2016年10月までに腹膜播種を伴う初発大腸癌に対し当科にて治療を行なった62例を対象とした.腫瘍因子・治療因子・宿主因子に分けて長期予後への影響に関して検討を行った.検討項目は腫瘍因子として腫瘍局在・組織型・播種の程度・他の遠隔転移・腫瘍マーカーを,治療因子として原発巣切除・Curability・化学療法を,宿主因子として白血球数・好中球リンパ球数比・Glasgow prognostic score・小野寺式栄養指標を検討した.
【結果】年齢中央値68(35-87)歳,男性27例:女性35例であった.観察期間中央値は330日(26-2606).腫瘍局在に関しては右側大腸癌29例,左側大腸癌33例.腹膜播種の程度はP1:32例,P2:11例,P3:19例.腹膜播種以外の遠隔転移を有するものが35例,有さないものが27例.組織型は分化型腺癌が36例,低分化や粘液癌が19例.手術により原発巣切除を行なったものが49例,原発巣非切除となったものが13例.49例中19例で播種巣も切除しCurBであった.化学療法は42例に施行し,20例で未施行であった.
腫瘍因子別の予後を検討すると,生存期間中央値は右側大腸癌458日:左側大腸癌512日.病理組織型別では分化型593日:低分化/粘液癌439日(p=0.01).腹膜播種の程度ではP1/2:593日,P3:350日(p=0.02).腹膜播種以外の遠隔転移なし559日:遠隔転移あり349日であった.またCA19-9高値例は予後不良であった(High:Low=291:687日, p=0.005).治療因子別に検討を加えると,原発巣切除の有無別では,原発巣切除群559日:原発巣非切除群439日.根治度別ではCurB779日:CurC350日であった(p=0.02).化学療法施行群では559日:未施行群では220日.宿主因子別の検討を行うとGlasgow prognostic score (GPS)の検討では生存期間中央値はGPS0:1:2=895:466:247日とGPS0で予後良好であった(p=0.001).多変量解析では組織型,CurB,GPS,CA19-9値が独立した予後因子として抽出された.
【まとめ】腹膜播種を伴う大腸癌において,組織型,肉眼的完全切除,宿主の栄養状態,CA19-9値は予後予測因子であった.積極的な治療介入により長期生存が得られる可能性がある.
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