演題

エレクトロポレーション法を用いた腫瘍血管を標的としたmRNA-engineered T細胞療法の開発

[演者] 神垣 隆:1, 藤原 健人:2, 笹渡 繁巳:3, 富山 舞:3, 三木 健次:3, 岡田 直貴:2
1:瀬田クリニック 臨床研究・治験センター, 2:大阪大学大学院薬学研究科, 3:株式会社メディネット

【はじめに】近年,ウイルスベクターを用いてT細胞にキメラ抗原受容体遺伝子を導入したCAR-T細胞療法の研究が盛んに行われている.造血器悪性腫瘍に対し目覚ましい効果を示す反面,過剰な免疫応答による重篤な副作用も報告されている.今回,われわれは血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR2)に特異的なCAR mRNAをエレクトロポレーション(EP)法によりT細胞に発現させたmRNA-engineered T細胞を作製し,再生医療等製品としての開発の可能性について検討した.【方法】ヒト末梢血単核球からCD8陽性T細胞を拡大培養し,コンストラクトの異なる2種類の抗ヒトVEGFR2 CAR mRNAをそれぞれEP法により導入した.各CAR-T細胞における発現プロファイルおよびヒトVEGFR2刺激に伴う細胞表面の活性化マーカーを解析し,培養上清中のサイトカイン量を定量した.また,各CAR-T細胞のヒトVEGFR2発現細胞株に対する細胞傷害活性を評価した.【結果および考察】コンストラクトの異なる2種類のCAR-T細胞では,CARの発現持続期間に差を認めた.これら2種類のCAR-T細胞は,ヒトVEGFR2刺激により同等に活性化されたが,分泌するサイトカイン量は2細胞間で差を認めた.一方,IL-2存在下におけるヒトVEGFR2特異的な細胞傷害活性は同等の効果を示した.これらの結果から,mRNA-EP法によるヒトVEGFR2特異的CAR-T細胞は,ヒトVEGFR2を発現する腫瘍血管に対する傷害活性を示すことが示唆された.今後,ヒトVEGFR2特異的CAR-T細胞を再生医療等製品として開発する際の課題や問題点を抽出しながら,臨床応用への可能性を検討したいと考えている.

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