演題

O1-22-11-3

リンパ節転移状況に基づく進行EGJ腺癌に対するNAC+胸腹連続郭清

[演者] 白石 治:1
[著者] 平木 洋子:1, 加藤 寛章:1, 岩間 密:1, 安田 篤:1, 新海 政幸:1, 木村 豊:1, 今野 元博:1, 今本 治彦:1, 安田 卓司:1
1:近畿大学医学部 上部消化管

【目的】西分類の食道胃接合部(EGJ)腺癌におけるLN転移,再発状況および予後の解析から至適治療戦略と今後の課題を検討する.
【方法】前治療なし手術を施行2002-11年のEGJ腺癌31例を前期群として術式,LN転移,再発,予後を解析し,結果に基づいて2012年以降のEGJ腺癌9例(後期群)に対して行なった新たな治療戦略の有効性を検討する.
【前期群の結果】開胸(12例)/開腹(19例),pT1-2/3-4=22/9, pN0/1/2-3=16/5/10(UICC7th)
LN転移:縦隔LN転移・再発(#101,#108,#109,#110,#112)は8例 (26%).腹部LN転移(#1,#2,#3,#4,#7,#9)は14例 (45%)に認めたが,#4は1例のみで,#16a2L再発を2例に認めた.
食道浸潤長(EI)と縦隔LN転移:EI<20mm:0/14,20≦EI<30mm:4/9 (#101L,109,110,112a),30≦EI:4/8(#108,110,112a).EI20mmを超えると縦隔転移が発生し,75%はpN2であった.
予後:全例の5年RFS53%,pT1-2(22例)/pT3(9例)-4=80/30%(p<0.01), pN0(16例)/pN1(5例)/pN2-3(10例)=88/67/30%(p<0.01).T3(T4a),N2が予後不良(血行,縦隔LN,播種再発) .開胸縦隔郭清にて縦隔LN転移を認めた6例の5年OSは50%であ った.
【新たな治療戦略】LN転移は縦隔~接合部~腹腔動脈周囲~16a2Lにかけて縦に進展し,胃大彎の転移は1例のみで,EI≧20mmでは縦隔転移リスクを有していた.以上より,原則は胸腹連続のD2+16a2L+下縦隔郭清(噴切許容)で,EI≧20mmでは右開胸縦隔LN郭清の適応,cT3(T4a)例では播種予防に食道裂孔周囲横隔膜の合併切除で腫瘍を露出させずに切除し,cN2以上では遠隔制御に術前化学療法(NAC)を適応し て成績向上を図ることとした.
【後期群の結果】
EI≧20mm: 8例とEI<20mm: 1例で,cStage IIA/III(UICC7th)=4/5.全例にNAC(DCF/DCS)を施行し,奏効率は44%.近位切離断端確保のための1例を含め全例で右開胸手術.胃管再建6例,胃全摘3例 .#16a2L郭清は4例,平均LN郭清72個.ypN3であった2例に縦隔転移 (104L,106L,108,110,111)を認め,ypStageI/III/IV=2/6/1.合併症は術後肺炎1例,縫合不全1例で,在院日数平均38日,手術関連死はなかった.1例はCY1,再発は 6例で肝転移2例,肺転移1例,104R1例,#16LN (非郭清例)2例(重複あり),食道追加切除の1例に食道IM再発.原病死3例.3年OS:66% 3年RFS30%.
【結語】EI20mm以上,N2以上は縦隔LN転移リスクがある.進行EGJ腺癌においてNAC+くり抜き開胸縦隔郭清は領域,播種再発には有用だが遠隔制御の課題が残る.
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