演題

O1-22-11-2

食道胃接合部腺癌のリンパ節転移・再発形式からみた外科的治療戦略

[演者] 森田 勝:1
[著者] 信藤 由成:1, 吉田 大輔:1, 太田 光彦:1, 南 一仁:1, 池部 正彦:1, 井口 友宏:2, 辻田 英司:2, 藤 也寸志:1
1:九州がんセンター 消化管外科, 2:九州がんセンター 肝胆膵外科

【はじめに】食道胃接合部腺癌に対する,転移状況,再発形式,予後を検討し,至適郭清範囲を考察した.
【方法】2001~16年に当院で切除された食道胃接合部癌67例のうち扁平上皮癌9例を除く腺癌58例を対象とした.リンパ節転移・再発形式・予後を検討した.
【結果】臨床的因子:部位はE/EG/E=G/GE/Gが3/2/8/38/7例,深達度はpT1/T2/T3/T4が16/9/21/12例であった.51例は腹部アプローチで,2例は右開胸開腹で胃全摘術+下部食道切除がなされ,5例に食道亜全摘術がなされていた.腹部傍大動脈リンパ節(#16)腫大のある症例は手術適応外とし,予防的#16郭清は行われていない.食道癌または胃癌切除例中,接合部癌は前期(2001-2008年): 20/1055(1.9%),後期(2009-2016年): 38/939例(4.0%)と増加していた(p<0.05)が,進行度など背景因子に差はなかった.転移,再発:リンパ節転移頻度(郭清例中)は,噴門・小弯(#1, #2, #3)54%,胃大弯(#4s, #4d)2%,幽門部(#5, #6)6%,腹腔動脈周囲(#7, #8, #9)33%と噴門・小弯と腹腔動脈周囲が多く両者は相関した(P<0.05).縦隔リンパ節を郭清した20例(上縦隔まで5例,下縦隔まで15例)中3例(15%)に転移(1例は#106recL,2例は#110)を認めた.術後再発は12例(21%)にみられた.そのうち#16再発は4例(7%)に認め,全例#1, #2, #3陽性例であった(非再発例では50%, p<0.05).一方,縦隔内転移または再発は6例あり,関連する因子は食道浸潤長であった(平均33mm vs 陰性例13mm, p<0.001).予後:全例の2および5年生存率は各83, 76%で,深達度別の5生率は,T1: 93%,T2: 75%,T3+T4: 67%であった.リンパ節転移陽性・陰性例の5生率は63%,94%であった(p<0.05).前後期の5年生存率は,各々71%,81%であった.
【考察】1.食道胃接合部癌の頻度は増加傾向にある.2.リンパ節転移形式より,噴門・小弯リンパ節から腹腔動脈周囲にいたるリンパ節郭清は重要であり,とくに#16転移・再発に同経路のリンパ流が関与していると考えられ,これらの転移陽性の進行癌症例に関しては#16の予防郭清の意義を検討してもよい可能性が示唆された.3.縦隔転移・再発例には食道浸潤長が重要であり,縦隔郭清の適応決定に有用である.
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