演題

O1-3-6-6

食道癌後縦隔再建術後の残食道円柱上皮化の経時変化とリスク因子

[演者] 工藤 健司:1
[著者] 成宮 孝祐:1, 矢川 陽介:1, 前田 新介:1, 太田 正穂:2, 山田 卓司:1, 谷口 清章:1, 大木 岳志:1, 大杉 治司:1, 山本 雅一:1
1:東京女子医科大学病院 消化器外科, 2:東京女子医科大学八千代医療センター 消化管外科

【はじめに】治療法の進歩のみならずリンパ節郭清技術や周術期管理の向上に伴い,食道癌術後の長期生存患者は近年増加傾向にある.今回我々は,食道癌後縦隔再建術後5年以上長期生存患者の残食道円柱上皮化の経時変化とそのリスク因子を明らかにした.
【対象と方法】2003年6月から2010年12月までの食道癌切除243例中,後縦隔胃管再建術後5年以上長期生存を得られた57例を対象とし,内視鏡所見上で円柱上皮化(BE)を診断し,BEの経時変化(1・2・5・10年目)を,吻合位置(頚部/胸腔内)・胸腔内残食道長・器械吻合径(21/25mm)・拡張術を要した術後狭窄の項目で比較検討した.
【結果】症例の内訳は男/女:46/11/例,年齢は平均62.1(SD±8.7)歳.吻合位置(頚部/胸腔内)は21/36例,胸腔内残食道長は平均4.9(SD±2.0) cm,器械吻合径は21/25mm:9/47例,吻合部狭窄の有無は15/42例であった.5年目まで観察しえた57症例のうち10年目まで経過を追えた症例は18例認め,BEを生じた症例は改善することなく経時的に確実に増加していた.BEの経時増加に関与する因子として,術後吻合部狭窄を生じた症例ではBEが生じにくい傾向にあり(p =0.0754),胸腔内残食道長が44mm以上の症例でBEは経時的に有意に増加した(p = 0.0425・ROC: ≥ 4.4cm).
【まとめ】術後の胃管内容残食道逆流は長期生存患者の肺炎発生の要因とされQOLを低下させる術後障害の一つとなっているため,外科医は単に腫瘍を根治するだけでなくQOLにも配慮した食道癌切除にも十分に配慮する必要がある.胃管残食道逆流を減じるための外科医の配慮の一つとして,胸腔内残食道長を短くする必要がある.

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