演題

O1-2-6-2

食道切除術における血流良好な胃管作成と胃管盲端血流に配慮した吻合のための工夫

[演者] 栗山 健吾:1
[著者] 酒井 真:1, 吉田 知典:1, 熊倉 裕二:1, 本城 裕章:1, 宗田 真:1, 宮崎 達也:1, 桑野 博行:1
1:群馬大学大学院 病態総合外科学

【目的】 食道切除術における,血流良好な胃管作成と胃管盲端血流に配慮した吻合のための工夫を報告する.
【方法】我々の施設では標準的には胃管再建,後縦隔経路を採用している.術後照射や剥離断端からの再発の可能性がある症例は胸骨後経路で再建する.胸部中下部食道の表在癌に対しては上縦隔の徹底郭清を伴う2領域郭清を行い,高位胸腔内吻合を行っている.食道・胃管吻合では術後の逆流性食道炎予防と術後長期的な消化管内容物の誤嚥による肺炎の防止を目的に端側吻合をおこなっている.①胃管作成:右の胃動脈から胃に向かう枝を3-4本温存し約4cmの幅で3列のリニアステープラーで6-7回に渡り胃を切離し,可及的に胃を伸展し長い大弯側細径胃管を作成する.この際,ICG蛍光を用いた胃壁内血流の評価を行い,切離ラインの選択の参考としている.25mmのサーキュラーステープラーを用いて端側吻合を行い,断端はリニアステープラーで閉鎖した後に漿膜筋層縫合を行う.②吻合:吻合に際しては,端側吻合では縫合不全の部位として吻合部盲端側が多い点に着目し,胃管前後壁の血流不均等が生じないよう吻合予定部位を胃管大弯線上にしている.また吻合部周囲および断端のドレナージを良好に保つ目的で吻合部の頭側と尾側にある大網付着部および盲端部の大網血管を温存している.
【成績】2010年4月から2016年3月の期間に当科で食道切除術を施行した137例を対象とした.開胸手術が99例,胸腔鏡手術が38例であった.縫合不全は16例(11.6%)であった.術後逆流性食道炎については41例(29.9%)に,術後誤嚥性肺炎の頻度については5例(3.6%)に認めた.いずれも過去の報告と比較して良好な成績であった.
【結論】当科における血流に配慮した食道再建術時の工夫について報告する.
詳細検索