演題

O1-2-6-1

胸部食道癌手術における胃管作成法の違いと縫合不全および吻合部狭窄との関連についての検討

[演者] 宮脇 豊:1
[著者] 佐藤 弘:1, 中馬 基博:1, 荒谷 憲一:1, 若田 光男:1, 郡司 久:1, 岡本 光順:1, 桜本 信一:1, 山口 茂樹:1, 小山 勇:1
1:埼玉医科大学国際医療センター 消化器外科

【はじめに】胸部食道癌手術における再建術において,再建臓器としては手技の簡便性・挙上性から胃管を用いることが多い.胃管の作成方法および形状は様々であるが,胃管血流および挙上性はその形状によって大きく異なる.食道癌手術における代表的な術後合併症である縫合不全は,吻合部そのものに起因するものと再建臓器血流不全に起因するものとに大別される.吻合方法と縫合不全についての検討は数多く報告されている一方で,胃管作成方法との関連については明らかでない.当科では2013年2月から挙上性に優れた細径胃管による胃管再建を行ってきたが,2016年4月より胃壁内血流を重視した形状に加えて,右胃動脈を切離することで挙上性も維持した胃管延伸法による胃管作成を行っている.
【目的】胸部食道癌手術の胃管再建における胃管作成方法と術後縫合不全発生との関連を明らかにする.
【対象と方法】2013年2月より2016年10月までの期間に,当院にて施行した一期的胸部食道癌切除再建術のうち,胸骨後または後縦隔経路を再建経路とし,頸部食道胃管吻合を行なった125例を対象とし,救済手術は対象外とした.
男性/女性:105/20.年齢中央値69歳(41-87歳).治療前臨床病期(UICC-TNM7th)(I/II/III/IV:47/41/32/5).右開胸手術/ 胸腔鏡下手術:69/56.細径胃管/ 胃管延伸法:102/23, 胸骨経路/ 後縦隔経路:118/7, 吻合は全例頸部手縫いGambee一層の端々吻合.これらの症例の縫合不全ならびに吻合部狭窄について,胃管作成法別にretrospectiveに比較検討した.
【結果】縫合不全22例(17.6%),吻合部狭窄33例(26.4%),細径胃管法と胃管延伸法との比較では,縫合不全は20例(19.6%)と2例(8.7%)(P<0.04), 吻合部狭窄は31例(29.5%)と2例(8.7%)( P<0.01).
【結論】細径胃管は縫合不全・吻合部狭窄ともに多く,挙上性に優れている反面で吻合部における胃管血流に乏しいことが吻合部血流不全および阻血性の狭窄形成の原因となった可能性がある.一方で,右胃動脈を切離することで挙上性を維持し,右胃大網動脈の最終枝より肛門側では胃管壁内血流を重視した胃管延伸法では,縫合不全・吻合部狭窄ともに少なく,吻合部における良好な胃管血流が期待できることが示唆された.
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