演題

O1-1-6-3

腹腔鏡補助下胃管作製と三角吻合による食道再建法

[演者] 池部 正彦:1
[著者] 吉田 大輔:1, 太田 光彦:1, 信藤 由成:1, 南 一仁:1, 井口 友宏:2, 辻田 英司:2, 森田 勝:1, 藤 也寸志:1
1:九州がんセンター 消化管外科, 2:九州がんセンター 肝胆膵外科

【はじめに】食道切除後の再建法は各施設によってさまざまであるが,定型化による安定した手術手技の確立が必要である.われわれは以前から,Linear staplerを用いた三角吻合による頸部食道-胃管吻合を行っており,治療成績を報告してきた.2011年からは腹部操作に腹腔鏡手術を導入し,現在では標準術式としている.われわれの手術手技と治療成績を提示する.
【手術手技】胃周囲リンパ節郭清と胃の授動および胸骨後経路作製までは,5ポートで完全鏡視下に行う.(1)小網を切離して胃小弯側から膵上縁に至る.胃膵間膜を切離し,左胃動静脈を切離する.胃背側の切離を脾上極まで行っておく.(2)大弯側で網嚢に入り,胃脾間膜を切離して背側からの切離層と連続させる.(3)大網の切離を右側に進め,Kocher授動術を行う.(4)食道裂孔を開いて食道を腹腔内に引き出す.食道裂孔を閉鎖したあと,剣状突起尾側の腹膜を切開し,完全鏡視下に胸骨後腔を十分に広く剥離する.(5)5cmの上腹部正中切開を加えて胃を腹腔外に引き出し,体外で3.5cm幅の大弯側胃管を作成する.(6)胃管を胸骨後経路で挙上し,頸部食道と三角吻合で端々吻合する.Linear staplerを用いて後壁を内反で,前壁の2辺を外反の計3回の縫合で吻合する.Stapleどうしが確実に重なるように縫合する.
【治療成績】①2006年から2015年に,179例に対して三角吻合で再建した.術後合併症は,Clavian-Dindo分類 Grade3aの縫合不全15例(8.4%),吻合部狭窄14例(7.8%)であり,吻合部に関するGrade3b以上の合併症はなかった.同期間の術者は10名であり,術者間による差はみられなかった.
②2011年から2015年まで88例に対して腹腔鏡補助下で胃管作製した.開腹移行例はなかった.術中総出血量は120±108 ml,Grade3以上の肺炎は2例で,同時期の腹部操作を開腹で行った群と較べて有意に少なかった.
【まとめ】食道切除後の再建術を定型化することで,術者間の差異なく安定した成績が得られた.
詳細検索