演題

O1-1-6-1

アンビル先行装着の頸部吻合でのサーキュラーステイプラーと内翻胃管作成でのリニアステイプラー使用の工夫

[演者] 牧野 浩司:1
[著者] 丸山 弘:1, 横山 正:1, 平方 敦史:1, 上田 純志:1, 萩原 信敏:2, 松谷 毅:2, 野村 務:2, 吉田 寛:1, 内田 英二:2
1:日本医科大学多摩永山病院 消化器外科・乳腺外科・一般外科, 2:日本医科大学付属病院 消化器外科

【はじめに】
術野が狭くサーキュラーステイプラーが使いづらい頸部での吻合の工夫について報告する.また再建臓器として作成する胃管にステープラーを使用するが,後縦隔ルートではステープルラインが血管・気管(支)膜様部にあたらないように,漿膜筋層縫合を追加する.糸・時間の節約と安全性を確保した,ステープルライン内翻による胃管作成の工夫についても報告する.
【対象】
2005年から側臥位27例,2009年から腹臥位導入し,2011年7月以降,術前治療(±)切除可能の全症例65例,計112例で胸腔鏡下食道切除術を施行した.
アンビル先行装着後,頸部吻合を施行した67例.内翻胃管は4例に施行した.
【方法】
アンビル先行装着後,頸部吻合法
1. 後縦隔または胸骨後経路にて胃管を頸部へ挙上.
2. 残食道に巾着縫合鉗子をかけて糸を通した後,食道を切断.
3. 胃管の先端をあけ,サーキュラー・ステープラーを挿入.
4. 胃管の大弯後壁よりにCDHトロッカーを刺入する.
5. CDHトロッカーにアンビル装着,距離2 cm 位まで閉鎖す.
6. アンビルを装着したままヘッドを残食道に挿入して巾着縫合と結紮追加し,二重結紮する.
7. CDHトロッカーを閉鎖し器械吻合する.
8. 後壁の吻合一部に全層縫合を追加する.
9. 挿入孔を巾着縫合鉗子と結紮追加し,二重結紮,漿膜筋層縫合する.
内翻胃管作成
1. 腹腔鏡下胃切離
2. 胃角部付近の小弯側を3-4 cm幅程度の胃管になるようにステープラーで垂直に切る.
3. 作成した補助具を使用し,切除する口側小弯側の胃壁を内翻するように胃壁の外側から腸鉗子で把持.
4. 胃の口側に挿入孔を開けステープラーを挿入し,3-4 cm幅程度に前後壁に印されたマーキングに沿って切る.
トロッカーやスコープが試用可能である際は,操作時に弱い送気とともに観察する.
【結果】
1. 縫合不全4/67例 (6%)で,アンビル装着先行後,残食道に挿入する頸部吻合は,挙上胃管の長さによらず安定した器械吻合が可能だった.
2. ステープルラインが胃管内腔にあり,血管・気管(支)膜様部にあたらない胃管がステープラーで作成され,漿膜筋層縫合が省略でき,縫合不全は無かった.
【結論と展望】
ステープリング・デバイスの工夫によって,安全確実な吻合と手術時間とコストの削減が可能となる.
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