演題

O3-123-9-6

浸潤性膵管内乳頭粘液性腫瘍(invasive IPMN)の鑑別と予後因子

[演者] 志村 龍男:1,2
[著者] 小船戸 康英:1, 石亀 輝英:1, 岡田 良:1, 佐藤 直哉:1, 木村 隆:1, 見城 明:1, 丸橋 繁:1
1:福島県立医科大学肝胆膵・移植外科, 2:福島県立医科大学腫瘍生体エレクトロニクス講座

【背景】膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)診断の究極の目的は浸潤性腫瘍を見逃さず過不足のない手術適応基準を確立することである.invasive とnon-invasive IPMNの鑑別はいまだ問題点が多く,予後因子の検討と至適術式の確立が待たれる.一方,galectin-3 (gal-3) はβ-ガラクトシド結合レクチンであり,多くの癌において浸潤,転移,アポトーシス誘導に関して検討されている.また,Ki-67はMIB-1抗体で染色される核内増殖指標であり,悪性度の指標とされている.
【方法】2000年から2010年までに切除した53例のIPMN症例(non-invasive IPMN 25例,invasive IPMN 28例)を対象としretrospectiveに検討した.invasive IPMNの鑑別,予後因子の評価項目は,年齢,性別,腫瘍径,病変の存在する膵管,high risk featuresとして,症状の有無,主膵管拡張の有無,壁在結節の有無を検討し,MIB-1 labeling index (LI) とgal-3発現は免疫組織学的に検討した.invasive IPMNの鑑別の有用性はロジスティック回帰分析で行った.鑑別に有用な因子のperformanceはReceiver Operating Characteristic (ROC) curveにより検討した.予後はKaplan-Meier法で算出し,予後因子の検討はCox比例ハザードモデルを用いて検討した.
【成績】invasive IPMNのMIB-1 LI(42.4±30.3)は,non-invasive IPMN(13.4±15.8)に比して有意に高値であった (P < 0.001).ROC curveのAUCは0.822であり,cutoff thresholdは15.5%とすると,sensitivityは84%,specificityは79%であった.ロジスティック回帰分析の多変量解析において,壁在結節有り(Hazard Ratio:6.187,95% CI:1.039-36.861,P = 0.045),とMIB-1 labeling index(Hazard Ratio:18.692,95% CI:4.171-83.760,P < 0.001)に有意差を認めた.核内gal-3を有する群は有意に予後不良であり (P < 0.05),Cox比例ハザードモデルを用いた多変量解析では独立予後因子であった(Hazard ratio : 5.162,95% CI:1.033-25.867,P = 0.046).
【結論】non-invasive IPMNとinvasive IPMNを鑑別するうえでMIB-1 labeling indexは有用であり,核内gal-3集積は独立予後因子であった.術前EUS-FNAによるこれら2因子による評価のfeasibilityを検討して行きたい.
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