演題

O3-123-9-5

主膵管型IPMNに対するERCPを用いた術前診断と治療成績

[演者] 大塚 隆生:1,3
[著者] 森 泰寿:1, 仲田 興平:1, 宮坂 義浩:1, 大内田 研宙:1, 永井 英司:1, 清水 周次:2,3, 中村 雅史:1
1:九州大学大学院 臨床・腫瘍外科学, 2:九州大学病院 国際医療部, 3:九州大学病院 光学医療診療部

我々は主膵管型IPMN(混合型を含む)切除56例(膵全摘術7例,膵部分切除術49例)の解析から,膵部分切除時の断端に腫瘍性病変を認めない場合と低~中等度異型を認める場合に予後に差はなく,切除断端に高度異型/浸潤癌を遺残させなければ追加切除を行わなくてよいことを報告した(Ann Surg 2014).また切除断端陰性でも膵管内播種による残膵再発をきたすことがあるが,頻度は14%(49例中7例)で,進行は比較的緩徐であることから全例残膵全摘を行うことが可能で良好な予後が得られたことも併せて報告した.したがって主膵管型IPMNではERCP下膵管腔内超音波 (IDUS)や経口膵管鏡(POPS)で詳細に進展範囲の評価を行い,膵全摘を回避する術式を計画することが望ましく,国際診療ガイドラインでもそのように推奨されている.我々は17例の主膵管型IPMNにSpyglass システムを用いたPOPSを行い,膵管拡張例12例中11例で十分な観察が可能で,太い鉗子孔を利用した膵液細胞診の悪性感度100%,3例で切除範囲決定に有用であったことを報告した(JHBPS 2014).またPOPSでの観察が不能であった1例では,併せて行ったIDUSにより他の画像診断で指摘できなかった結節病変を同定することができた (World J Surg 2014).一方,Spyglass システムは操作性が悪く,細径鉗子による狙撃生検の感度は25%で課題が残ったが,最近改良されたSpyglass-DSは画質,操作性が飛躍的に改善され,実際に主膵管型IPMNの膵切離線決定に極めて有用であった症例も経験したので画像を供覧する.一方,残膵再発7例は全例膵体尾部切除後の膵頭部再発であり,初回手術前ERCP操作に伴う膵頭部膵管上皮剥離・腫瘍細胞着床の機序も考えられ(Surgery 2015, Ann Surg 2016),今後の検討課題である.
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