演題

O3-123-9-3

リンパ節転移の有無の予測因子としてのIPMN国際診療ガイドラインの検証

[演者] 林 真路:1
[著者] 山田 豪:1, 高見 秀樹:1, 丹羽 由紀子:1, 中山 吾郎:1, 杉本 博行:1, 小池 聖彦:1, 藤井 努:1, 藤原 道隆:1, 小寺 泰弘:1
1:名古屋大学大学院 消化器外科学

[目的]
2012 IPMN国際診療ガイドラインで規定された手術適応の妥当性検証には,術前画像診断による至適術式についても考慮する必要がある.特に,IPMNは浸潤癌となるとリンパ節転移を来す可能性があり,切除後の重要な予後予測因子となる.今回われわれは,リンパ節転移を伴うIPMNの予測因子につき,本ガイドラインをもとに検証した.
[対象・方法]
2002年1月-2016年9月に,当教室における204例のIPMN切除症例について,主膵管型(MD:主膵管径≧6mm),分枝型(BD:分枝拡張≧5mm),双方であるものを混合型(Mixed)と分類し,2012ガイドラインに規定されるhigh risk stigmata/worrisome featureの中でリンパ節転移予測因子につき解析した.
[結果]
1. 平均年齢:67.1(±8.2)才,男女比:125/79例,腫瘍主座は頭部/体尾部/頭尾部/全体:133/63/2/6例であった.主膵管型(MD)/分枝膵管型(BD)/混合型(Mixed):16/60/128例,腺腫/非浸潤癌/微小浸潤癌/浸潤癌:91/42/18/53例であった.
2. 微小浸潤癌までの症例においてはリンパ節転移を認めず,53例の浸潤癌症例中,26例(49.1%)に認めた.MD症例には1例も認めず,BD 3例(5%),Mixed 23例(18.0%)であった.
3. 1. リンパ節転移の有無により5年生存率を比較すると,リンパ節転移陽性群が28.9%,陰性群が94.4%(P<0.001)であった.
4. リンパ節転移陽性例を認めなかったMD症例を除く,188例のBD/Mixed症例について解析した.High risk stigmataおよびworrisome featureによる多変量解析では,閉塞性黄疸を有する膵頭部病変(OR=6.90,P=0.003)およびリンパ節腫大(OR=8.28,P=0.005)のみが有意なリンパ節転移予測因子となった.
5. リンパ節転移陽性と主膵管径および嚢胞径の相関につきROC curveを用いて検討した.BD+Mixed188例において主膵管径6mmが閾値となったが,感度が80.8%,特異度が48.2%で偽陽性が多かった.嚢胞径については55mmが閾値となったが,感度15.4%,特異度93.3%で偽陰性が多かった.
[考察]
2012 ガイドラインで規定された主膵管径と嚢胞径は,単独ではリンパ節転移を伴う浸潤癌の予測因子としては不十分であり,閉塞性黄疸やリンパ節腫大など術前診断可能な複数の項目と合わせて検討し,総合的に術式を判断する必要があると考えられた.
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