演題

O3-123-9-2

2012年IPMN国際診療ガイドラインの検証 -経過観察可能なHigh-risk stigmata例の抽出-

[演者] 岡村 行泰:1
[著者] 杉浦 禎一:1, 伊藤 貴明:1, 山本 有祐:1, 蘆田 良:1, 加藤 吉康:1, 大木 克久:1, 山田 美保子:1, 渡辺 伸元:1, 上坂 克彦:1
1:静岡県立静岡がんセンター 肝・胆・膵外科

背景と目的:2012年にIPMN診療ガイドラインが改訂されて以降,外科切除の適応は縮小したが,IPMNの良悪性に関する鑑別は依然として困難である.今回,high-risk stigmataでも経過観察ができる症例,worrisome featureでも切除を検討すべき症例を拾い上げることを目的に切除例を対象に2012年IPMN診療ガイドラインの検証を行った.
対象と方法:IPMN 144切除例中膵管癌が併存した9例を除外した135例を対象にretrospectiveに以下を検討した.検討1:2012年診療ガイドラインのIPMC検出の感度,陽性的中率(PPV)を検討.検討2:High-risk stigmataの各所見によるIPMC検出の感度,PPVを検討.検討3:Worrisome featureの悪性予測因子の抽出.良悪性の鑑別に関してはWHO分類に従い,上皮内癌(CIS)25例は良性に含めた.
結果:検討1:切除例中,悪性は59例,良性は76例であり,2012年診療ガイドラインにおけるhigh-risk stigmataは92例,worrisome featuresは41例であった.Worrisome featuresのうち40例で超音波内視鏡検査(EUS)が施行され,5mm以上の結節を認めた19例を外科切除の適応とした.ガイドライン上の切除適応は110例(82.1%)であり,悪性検出感度は95.2%,陽性的中率(PPV)53.6%であった.
検討2:黄疸は14例に認め,全例が悪性であり悪性検出感度は25.5%,PPV 100%であった.造影される結節を認めたのは71例で,52例が悪性であり悪性検出感度は94.5%,PPV 73.2%であった.10mm以上の主膵管拡張は38例に認め,18例が悪性であり悪性検出感度は35.2%,PPV 46.3%であった.10mm以上の主膵管拡張のみでhigh-risk stigmataに分類された21例では,悪性は3例(14.3%)であったが,CISを7例(33.3%)に認めた.検討3:Worrisome feature 41例中4例(9.1%)が悪性であったが,いずれも微小浸潤癌であった.検討した因子の中で悪性予測因子は抽出できなかった.
結語:High-risk stigmataとする3因子のうち,10mm以上の主膵管拡張は悪性検出感度,PPVともに他の2因子より低く,手術リスクの高い症例においては,経過観察も選択肢となりうると考えられた.
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