演題

O2-95-15-6

局所進行直腸癌に対する術前CRTの治療成績と再発危険因子同定に関する検討

[演者] 恵木 浩之:1
[著者] 佐田 春樹:1, 安達 智洋:1, 向井 正一朗:1, 矢野 琢也:1, 河内 雅年:1, 寿美 裕介:1, 田口 和浩:1, 中島 一記:1, 大段 秀樹:1
1:広島大学附属病院 消化器外科

【はじめに】局所進行直腸癌に対する治療戦略として,術前CRT(化学療法:TS-1 80mg/m2 2週投与1週休薬2コース,放射線治療:前後対向4門照射(50.4Gy) 1.8Gy x 28回)+ 腹腔鏡下TMEを行っている.術前診断 (CT, MRI, PET) で側方リンパ節陽性と診断した場合は,患側の側方リンパ節郭清を併施する.現在までの治療成績を示すとともに,再発危険因子に関する検討を考察した.
【対象と方法】当科で術前CRT施行した下部直腸進行癌29例(2009年1月-2015年12月)と術前CRT非施行症例28例(2009年以前)の治療成績を比較検討した.また再発危険因子同定のためpCRが得られなかったNon-PCR症例のパライン標本を免疫染色(HIF1α, VEGF, ALDH-1, CD133, CD44)し検討した.
【結果】術前CRT施行症例のdown stage 率は,T因子72.4%, N因子83.3%, cStage のdown stag率も62.1%tと良好であった.CRT完遂率は89.7%(26/29)と高率で,全症例でR0手術施行できた.病理学的腫瘍治療効果はpCRが20.7%(6/29)と良好な結果であった. 術後合併症は15例 (58.6 %)と多く認めたが,その内容は軽度のイレウス・SSI等が多く,再手術を必要とした症例は2例であった.平均観察期間は29.6ヶ月とまだ短いが,局所再発率は3.4% (1/29例) と局所制御はコントロールできている.再発危険因子としてHIF1α, VEGFは有意差がないものの高発現群で予後が悪い傾向にあった.Cancer stem cell marker のCD44高発現群は優位に予後が不良であった.
【まとめ】術前CRTは局所進行直腸癌に対して安全に施行可能であり,局所制御効果は非常に良好であった.術後再発危険因子に有用なバイオマーカーの同定に取り組んでいきたい.
詳細検索