演題

O2-95-15-3

術前化学療法を行った直腸癌症例における循環血液中cell-free DNAを用いた予後予測

[演者] 小泉 岐博:1
[著者] 山田 岳史:1, 岩井 拓磨:1, 高橋 吾郎:1, 武田 幸樹:1, 進士 誠一:1, 横山 康行:1, 原 敬介:1, 太田 惠一朗:1, 内田 英二:1
1:日本医科大学付属病院 消化器外科

【はじめに】循環血液中の断片化されたDNA ( circulating cell-free DNA : ccfDNA )は様々な疾患のbiomarkerとして期待されている.正常細胞由来のccfDNAは短く均一に断片化されているのに対し,悪性腫瘍細胞由来のccfDNAは不均一で長いfragmentを含む.このためlong fragmentとshort fragmentの比で示されるDNA integrityは悪性疾患に特異性が高い指標である.我々は大腸癌肝転移症例に対する化学療法においてDNA integrityが治療効果を反映することを報告してきた.一方,各種固形腫瘍において術前補助療法の組織学的奏功例は予後良好であることが報告されているが,直腸癌に対するNeoadjuvant chemotherapy ( NAC )の意義はでは明らかでない.
【目的】CcfDNAが直腸癌NAC症例の予後予測のbiomarkerとなり得るかを検討した.
【対象と方法】cStageII, IIIのRaまたはRb直腸癌30例を対象とし,mFOLFOX6療法を6コース施行後に根治手術をおこなった.① Disease-Free Survival ( DFS )をエンドポイントとし,切除標本の組織学的効果との関連を検討した.② NAC開始前後の末梢血からccfDNAを抽出し,Real time PCRを用いてDNA integrity ( LINE-1 : 297bp / 127bp比 )を算出した.NAC前後におけるDNA integrityの変化率と組織学的効果の関連を検討した.【結果】① 組織学的効果判定 Grade 0 / 1a / 1b / 2 / 3はそれぞれ2 / 11 / 7 / 8 / 2例であった.2年DFSは非奏功例( Grade 0-1a ) 65%,奏功例( Grade 1b-3 ) 100% ( p<0.01 )であった.② 16例のccfDNAが集積された.非奏功例ではNAC前後でDNA integrityの変化率が少ない(<20%)症例が4/5例 (80%)であるのに対し,奏功例では1/11例 (9%),であった ( p<0.05 ).
【結語】組織学的効果Grade1a以下は再発のリスクが高く,DNA integrityの変動が少ない症例では組織学的効果が乏しかったことから,DNA integrityはNACの予後予測のbiomarkerとなる可能性がある.
詳細検索