演題

O2-94-15-2

cT3/T4局所進行直腸癌に対する術前化学放射線療法施行症例の成績

[演者] 日高 英二:1
[著者] 前田 知世:1, 大宮 俊啓:1, 中原 健太:1, 石山 泰寛:1, 島田 翔士:1, 向井 俊平:1, 澤田 成彦:1, 石田 文生:1, 工藤 進英:1
1:昭和大学横浜市北部病院 消化器センター

【目的】遠隔転移のないcT3/T4局所進行直腸癌に対する術前化学放射線療(CRT)施行例を検討し,術前CRTの有用性を明らかにする.【対象・方法】 2008年1月から2016年10月までに術前CRTを施行したcT3/T4局所進行直腸54例を対象とした.男性/女性は35/19,年齢(中央値)は62歳であった.腫瘍占居部位は,Ra/RbP:1/53と下部直腸に多く,術前深達度はcT3/cT4:43/11であった.総放射線照射量(中央値)は50Gyで,併用化学療法はTS-1が52例,XELOXが2例であった.臨床病理学的因子,手術関連因子,再発を検討した.【結果】CRT完遂例は47例(87%)であったが,放射線治療は53例(98%)に完遂できた.Grade3以上の有害事象は3例(5.6%)のみであった.CRT中2例に他臓器転移が出現した.画像上の腫瘍縮小率(平均)は38.4%であった.手術は,直腸切断術が20例,低位前方切除術が33例,Hartmann op.が1例であり,側方郭清は5例のみ施行した.肛門温存率は61%であった.手術時間(中央値)は298.5分,出血量(中央値)は200.5mLで,手術時間,出血量は妥当と思われた.根治度はCurA/B/C:49/2/3で90.7%にCurA手術が可能であった.組織学的治療効果Grade 0/1a/1b/2/3 は1/22/13/12/6例でGrade2以上が33.3%に認められ,さらに11.1%にGrade3の効果が認められた.組織型は,50例が管状腺癌で,4例がpor,sigの組織型であった.術後合併症は22例(40.7%)に認められたが,Clavien-DindoIII以上の合併症は7例(12.9%)のみであった.術後病期は,ypStage I/II/IIIa/IIIb/IV:15/21/ 7/ 3/ 2例で,Pathological Complete Response (pCR):6例であった.術後補助化学療法施行例は13例(24%)のみで,導入率が低かった.術後観察期間の中央値は37ヶ月で,再発(CRT中の転移も含む)は11例(20.3%)であったが,局所再発は1例(1.9%)のみであり,局所制御は非常に優れていた.画像上の腫瘍縮小率は,再発例では28.2%,無再発例では41.1%と,再発症例において有意に低い傾向であった(p<0.05).por,sigの組織型であった4例中3例が再発しており,特殊な組織型には注意を要すると思われた.またypStageIIIは有意にRepalse free survivalが不良であった(p<0.001)ため,ypStageIIIは特に補助化学療法が必要と思われた.pCRが得られた6例に再発は認めなかった.【結語】cT3/T4直腸癌に対する術前CRTは,局所制御に優れ,中期成績も比較的良好で,局所進行直腸癌治療に有用と思われた.
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