演題

O2-94-15-1

下部直腸癌における術前 化学放射線療法の予後の検討

[演者] 牛込 充則:1
[著者] 小池 淳一:1, 塩川 洋之:1, 栗原 聰元:1, 深澤 由里:3, 赤坂 哲夫:3, 根本 哲生:2, 島田 英昭:1, 船橋 公彦:1, 金子 弘真:1
1:東邦大学医療センター大森病院 消化器センター(外科), 2:東邦大学医療センター大森病院 病理診断科, 3:東邦大学医学部病理学講座

下部直腸癌における術前療法の目的は腫瘍縮小に効果による根治手術と予後の延長に寄与することと共に,肛門機能の温存にあると考えられる.欧米では術前化学放射線治療(CRT)併用外科治療が標準化している.一方,手術単独が中心の日本においては更なる治療向上を目指して病勢コントロールを目的に術前化学療法(CT)あるいは術前化学放射線治療(CRT)が試みられている.しかし術前治療の有用性は確立していない.当院においても院内倫理委員会承認のもと術前CT,TS-1+Radiationを用いた術前CRTを試みている.
目的
2010年から2014年に行ったcStage(ll/lll)を対象としたCRT症例21例の安全性と予後を検討した.
症例背景
CRT群性別M/F=16/5 年齢42-77(63歳) cStage(ll/lll)=3/18術式 LAR[8], ISR[11],APR[2]手術時間(406分) 出血量( 330ml )術後在院日数(25日) :(*)中央値./[*]症例数
治療効果結果
Grade1以上の下痢症状を7例に認め,内3例はGrade3の有害事象を認めた.
臨床病期の改善は8例(38%), ypStage lll/ll/l/CR=4/7/7/3
組織学的治療効果Grade2以上,16例 (76%)
再発 4例(19%)[肺転移2例,肝転移1例,局所再発1例]
また,同時期におこなったfStagell/lllのRaRb67症例とRFSで差を認めなかった.
考察
病勢悪化を示す症例は認めず,安全性が確認された.臨床病期では8例のDown Stageにとどまったが,CR 3例を含むGrade2以上の組織学的治療効果は76%と高かった.進行下部直腸癌の治療において予後への改善の結果はまだ得られていないが,病勢コントロールが可能なことから肛門温存を希望する患者にとって期待できる治療と考えられた.
詳細検索