演題

O1-21-11-6

進行胃がんに対する腹腔鏡下胃切除術の短期長期成績 開腹術との比較 Propensity score matched analysis

[演者] 大森 健:1,2
[著者] 文 正浩:1, 柳本 喜智:1, 杉村 啓二郎:1, 益澤 徹:2, 岸 健太郎:2, 大植 雅之:1, 宮田 博志:1, 矢野 雅彦:1, 左近 賢人:1
1:大阪府立成人病センター 消化器外科, 2:大阪警察病院 外科

早期胃がんに対する腹腔鏡下胃切除術は標準手術の一つとして普及しているが,進行胃がんや上部胃がんへの適応に関するエビデンスは乏しい.しかしながら,技術,光学機器の進歩により,微細解剖認識のもと,より緻密なリンパ節郭清が行われるようになり,進行胃がんへの適応拡大の是非につき検討されている.目的:進行胃がんに対する腹腔鏡下胃切除術の安全性を検討する.対象:prospectiveに収集したデータベースを用い,2005年から2012年に当院で行ったpStage II, III胃がんに対する胃切除術370例(腹腔鏡下胃切除LG 165例,開腹胃切除 OG 205例)を対象とした.One-to-one propensity-score matching にて各群154例の短期,長期成績を比較検討.結果:背景因子(年齢,性別,BMI,術前化学療法の有無,Stage等)に有意差を認めず.pStageの内訳(IIA/IIB/IIIA/IIIB/IIIC)は,LG群(38/37/29/30/20),OG群(44/32/30/30/18)であった.短期成績に関し,手術時間は,OG群に比し,LG群が有意に長く(p<0.001),出血量は有意に少なかった(p<0.001).合併症率に有意差を認めず,術後在院日数は,LG群がOG群に比べ,有意に短かった(p<0.001).長期成績に関しては,5yr Relapse free survival (RFS) が,LG群 v.s. OG群 (68.4% v.s. 60.4%, p = 0.134),5yr Overall survival (71.0% v.s. 59.7%, p = 0.049)とOG群と同等もしくはLG群で予後良好であった.Stage別にみると,pStage IIにおけるLG群(n =75)v.s. OG群(n = 76)の5yr RFS は77.9% v.s. 67.9%, p = 0.144,5yr OSは80.7% v.s. 67.6%, p = 0.101,pStage IIIにおけるLG群(n =79)v.s. OG群(n = 78)5yr RFS は59.9% v.s. 52.9%, p = 0.413, 5yr OS 62.3% v.s. 51.8%, p = 0.183.結語:腹腔鏡下胃切除術は開腹術と比べ,手術時間は延長するものの,出血量は少なく,術後在院日数も短い.長期成績も遜色なく,安全に施行可能である.大規模他施設共同試験の結果が待たれるが,進行胃がんに対する腹腔鏡下手術は,進行胃がんに対する術式のオプションの一つとなりうる.
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