演題

O1-21-11-5

進行胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術の治療成績

[演者] 山下 好人:1
[著者] 宮本 匡:1, 上野 剛平:1, 伊東 大輔:1, 山本 篤:3, 玉森 豊:2, 横山 智至:1, 細川 慎一:1, 野間 淳之:1, 宇山 志朗:1
1:和歌山医療センター消化管外科, 2:大阪市立総合医療センター 消化器外科, 3:住友病院 外科

【目的】腹腔鏡下胃切除(LG)の適応を拡大するためには,D2郭清,胃全摘とその再建,Bulky 腫瘍,T4症例,残胃癌,食道胃接合部癌,NACまたはサルベージ症例など様々なハードルを一つずつ超える必要がある.よって我々は長い年月をかけて進行胃癌(AGC)に対する腹腔鏡下胃切除(LG)の適応を徐々に拡大し,Surgeon A においては2014年にはすべての症例に対してLGを行うようになった.本研究ではLGの適応を全てのAGCに拡大することの安全性と実現可能性について検討した.【方法】2007年1月~2015年6月までに行われたLG 1016例の治療成績を検討するとともに,Surgeon Aが行った477例を3つの期間に分けて比較検討した.【成績】全胃切除例において腹腔鏡下手術の占める割合は2008年で58.1%であったが,2015年には94.9%と上昇した.Surgeon Aの腹腔鏡手術率は2008年で63.2%であったが,2014年から100%となった.Surgeon Aの3つの期間を比較すると,LGの適応を拡大したことにより,laparoscopic total gastrectomy (LTG)ならびに高度AGCの割合が増加した.高度AGCには多発またはbulkyなリンパ節転移症例,T4a,b(bulky tumorを含む)症例,食道浸潤症例,NAC症例を含み,経裂孔的下部食道切除,膵脾合併切除などが行われた(ビデオ供覧).手術時間はlaparoscopic distal gastrectomy(LDG), LTGともに第3期で長くなったが,出血量はLDGで第1期:70g,第3期:30g (P=0.010),LTGでは第1期:130g,第3期:95g と第3期で有意に減少した(P=0.039).術後合併症発生率については,各期間で有意差は認められなかった.Overall 3-year survival rateは Stage IA: 96.3%,Stage IB: 88.2%,Stage IIA: 95.6%,Stage IIB: 90.0%,Stage IIIA: 83.3%,Stage IIIB: 55.6%,Stage IIIC: 60.0%であった.【結語】腹腔鏡手術手技の向上と経験の積み重ねにより,すべてのAGCに対して安全かつ腫瘍学的に問題なくLGを行うことが可能であると考えられた.
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