演題

O3-113-6-6

再発食道癌に対する放射線治療とサルベージ郭清術

[演者] 山辻 知樹:1
[著者] 田村 地生:1, 石田 尚正:1, 高岡 宗徳:1, 林 次郎:1, 吉田 和弘:1, 浦上 淳:1, 羽井佐 実:1, 廣川 裕:2, 猶本 良夫:1
1:川崎医科大学附属川崎病院 外科, 2:広島平和クリニック

【目的】食道癌術後リンパ節再発は頸部や縦隔に限局していれば,追加廓清も選択肢となり得る可能性があるが,気管や動脈浸潤を伴う場合の切除は容易ではない.近年,強度変調放射線治療(IMRT)をはじめとした高精度放射線照射治療技術の向上に伴い,気管や動脈浸潤を疑う再発に対して放射線治療を行い,その遺残病巣に対してのサルベージリンパ節郭清術の適応を検討している.局所進行再発食道癌に対する集学的治療の新たな概念であるサルベージリンパ節郭清術について検討した.【方法と結果】2010年4月~2016年11月に胸部食道癌切除術後に頸部縦隔リンパ節再発を来した症例は17例であった.うち6例には外科的郭清術を施行し得たが,4例は気管・血管浸潤を疑い,NovalisTxを用いたIMRTを化学療法併用にて施行し,その後に外科的郭清術を行った.4例全て廓清組織内に扁平上皮癌の遺残を認めた.1例は4年間生存中であるが,1例は3年後に多発骨転移にて,2例は多発肝転移にて死亡.【考察】食道癌リンパ節転移に対する化学放射線療法後の遺残や術後再発に対するサルベージ郭清術salvage lymphadenectomyは2011年にTadaらが報告,その後Watanabe, Babaらが定義づけた.化学放射線療法後の再発に対する外科手術の適応は乏しいと考えられるが,PETCT等画像診断の進歩により,限られた症例においては外科手術の再介入も可能となってきたと考える.再発リスクの高い症例では術後比較的早期(3~6ヵ月ごと)のPETCTによる検索により,治療介入可能な時期の再発が診断されることが一因であると推測される.【結論】集学的治療の一つに位置付けられてきた局所進行再発食道癌に対する外科治療の概念であるサルベージリンパ節郭清術について検討した.画像診断技術の進歩と,高精度放射線治療の進歩に伴い,今後新たな治療選択肢の一つとなり得る可能性があると考える.
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